北海道の知床半島周辺の7市町が、世界自然遺産の「知床」を自動車のナンバーププレート導入に向けて協議していると、9月9日付の北海道新聞が報じた。世界自然遺産に登録されている知床は、世界的な知名度もある。2020年の交付を目指しているという。
国交省の交付条件緩和が追い風に
北海道新聞によると、世界的な「知床」の名前をナンバープレートにつけることによって、さらなる観光振興につなげることが目的。国土交通省は今年5月、ご当地ナンバーの交付に関し、登録自動車台数を緩和。従来は10万台の登録が必要だったが、おおむね5万台超となり、「知床」ナンバーの該当7市町で7万台以上の登録があり、実現に向けて急ピッチに話が進んだ。
【知床ナンバー関係自治体】
▽根室管内=現在は「釧路」ナンバー
・羅臼町・根室市・中標津町・標津町・別海町
▽オホーツク管内=現在は「北見」ナンバー
・網走市・斜里町
知床半島は、手つかずの自然が残され、希少な動植物の群生地として知られている。2005年にユネスコの世界自然遺産に登録が決まった。世界遺産の登録が決まった直後、観光客の入りこみが劇的に増加したが、近年は減少も叫ばれている。「知床」のご当地ナンバーで再度、知床をアピールする狙いもある。
北海道は7つの地名のナンバーで全国2位
北海道のナンバープレートは、全部で7つの地名が記されており、愛知県の8地名に次ぐ全国で2番目に多い。内訳は「函館」「室蘭」「札幌」「旭川」「帯広」「釧路」「北見」となっている。これに「知床」が加われば、愛知県に並ぶことになる。ちなみに、東京都と埼玉県も7地名あり、北海道と並んでいる。
国交省では2006年から、新規に自動車検査登録所の事務所を設置せずに、独自の地名がつけられる「ご当地ナンバー」を開始した。これにより、各地域の有名な観光地やスポットを続々とナンバープレートにしている。
【主なご当地ナンバー】
・仙台(旧地域名=宮城)
・会津(旧地域名=福島)
・郡山(旧地域名=福島)
・平泉(旧地域名=岩手)
・那須(旧地域名=宇都宮)
・成田(旧地域名=千葉)
・世田谷(旧地域名=品川)
・つくば(旧地域名=土浦)
・諏訪(旧地域名=松本)
・金沢(旧地域名=石川)
・春日井(旧地域名=尾張小牧)
・伊豆(旧地域名=沼津)
・富士山(旧地域名=沼津・山梨)
・鈴鹿(旧地域名=三重)
・倉敷(旧地域名=岡山)
・下関(旧地域名=山口)
・奄美(旧地域名=鹿児島)
「知床」のナンバープレートが交付されれば、北海道で初の自動車を対象にした「ご当地ナンバー」となる。