今季の北海道サッカーリーグを制した十勝FCの来季の新監督に、アルビレックス新潟などに所属した元Jリーガーの梅山修氏(44)の就任が確実となったことが10月11日、分かった。11月中にも契約を結ぶ予定で、Jリーグ参入を本格的に目指す来季の指揮官の采配に注目される。
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JFL→J2→J1の各カテゴリーを経験
梅山氏は埼玉県さいたま市出身。浦和学院高校を卒業後、アマチュアからJ1までの各カテゴリーを経験しているだけに、J参入を目指す十勝FCにとって最適な指揮官を迎えることになる。
現役時代はDFとして活躍。運動量とスピードを武器に、右サイドバックとして、相手守備陣を切り裂く、サイドからの攻撃参加に定評があった。1998年にはJFL東京ガスのJリーグ昇格に大きく貢献。02年には移籍した湘南ベルマーレの主将として、チームをまとめてきた。
リーグ戦ではJ1で97試合、J2で107試合、旧JFLで75試合に出場するなど豊富な実績を持つ。2006年シーズンに引退後、07年から新潟のスクールコーチ、北信越リーグの選手兼任コーチを務めた。スカパー!の新潟戦の解説者として活躍するなどサッカーをピッチの内外から見てきた。
07年には新潟市議選に無所属で出馬し、初当選している。市政を担う重責を2期8年務めた。サッカー選手・指導者としての豊富なキャリアに加え、議員としての要職を歴任。自身の経験を生かし、地域のスポーツ振興に尽力した。
十勝FCのJ参入への土台ができつつある
梅山氏は現在、「公認A級コーチジェネラル」の資格を保有している。日本代表、Jリーグのトップチームの監督に必要な「公認S級コーチ」の1つ下のカテゴリー。「公認A級コーチジェネラル」では、Jリーグのサテライト(若手や控え中心のチーム)、JFLなどの監督を務めることができる。
十勝FCは事実上の最短となる2019年にJFL(J3の1つ下相当のカテゴリー)に参入した場合でも、梅山氏の保有コーチ資格で監督を務めることができる。十勝FCの運営会社と梅山氏は、複数年契約を結ぶことが有力で、J参入への土台ができつつある。
十勝FCは、梅山氏を迎える来季からチーム名を「十勝スカイアース」へ変更する。チームの運営会社・リーフラス(東京)では、11月中に帯広市内に「十勝スカイアーススポーツクラブ」を設立する。
十勝出身では、歌手の松山千春(足寄町)、ドリカムのボーカル・吉田美和(池田町)らがいる。今後はチームのテーマソングなどを含め、オール十勝でさまざまなコラボや協力体制に期待が持たれる。
◇梅山修(うめやま・おさむ)氏
生年月日:1973年8月16日
出身地:埼玉県岩槻市(現さいたま市)
出身校:浦和学院高校
所属クラブ:92 ~93年NKKサッカー部
94 ~97年アビスパ福岡
00年ヴェルディ川崎
98~01年東京ガス→FC東京
02~03年湘南ベルマーレ
04~06年アルビレックス新潟
アルビレックス新潟は10月16日、同クラブサッカースクールの梅山コーチの2017年12月末での退団を発表した。クラブを通して梅山氏はコメントを寄せた。
このたび、北海道から2番目のJリーグ入りを目指す十勝FCの監督に就任が決まりました。
2004年に選手としてクラブの仲間に加えて頂き、現役引退後はスクールコーチとして活動するなど、14年間の長きに渡ってお世話になりました。
新潟に来たばかりの頃でした。試合翌日に自宅のカーテンを開けると目の前にあるマンションのベランダ一面にオレンジ色のシャツが干されている景色を見つけて、「これが文化というものか」と感動した事をいまも鮮明に覚えています。
新潟の選手として、いつ何時も命がけでピッチを走り続けました。それは自分自身が何者で、何のためにプレーするのか。また、自分を俯瞰したり、プロ選手として目的を明確にすることができた貴重な時間になりました。
選手として葛藤していた時、傍にはいつもサポーターの皆さんがいました。皆さんの声援がなければ、30歳を過ぎてまでプロ選手として活動することはおそらく、いや間違いなく、できなかったでしょう。声援に支えられ、勇気を頂いた経験は、ユニフォームを脱いだ後、それまでプレーすることでしか恩返しができない、と思っていた自分を変えてくれました。それが「この街、ひと、クラブのために貢献する」という挑戦、すなわち新潟市の政への参加です。
またスクールコーチとして、子どもたちにいつも同じことを言い続けてきました。「トライしよう!」と。そして「結果は分からない。ただ分からないことへのチャレンジこそ本当の勇気である」と。今度はわたし自身が、子どもたちに教えてもらった「勇気」を発揮する番です。
サッカーは世界と繋がる素晴らしいスポーツ。サポーターの皆さんと心はいつまでも繋がっていると信じてトライします。
心のつながりを手繰り寄せて、いつかまた共に戦う日まで!