任期満了に伴う福島県南相馬市長選は2018年1月11日、告示された。投開票は同21日。立候補したのは、元南相馬市議で新人の門馬和夫氏(63)と、3選を目指す現職の桜井勝延氏(62)との2人。立候補者の詳細や情勢予想などを伝える。
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南相馬市長選挙速報
門馬 和夫氏 得票数16494 当選
桜井 勝延氏 得票数16293
※1月21日20時20分=確定
南相馬市長選挙は新人の門馬氏が初当選を果たした。
立候補者のプロフィルや主な経歴など
門馬氏は1978年に東北大工学部を卒業後、同年10月に原町市役所(現南相馬市役所)水道課に勤務。2006年に合併により誕生した南相馬市の財政課長に就任、10年に経済部長、12年に市立総合病院事務長などを歴任し、14年3月に南相馬市役所を退職した。同市の行政の要職を経験しているのが強みだ。
桜井氏は1978年に岩手大農学部を卒業後、南相馬市に戻って畑作や酪農の仕事に従事。2003年に原町市議に初当選して1期務めた。06年に南相馬市議初当選後、2選を果たし、10年の南相馬市長選に初当選した。11年には東日本大震災で同市が被災、福島第一原発の事故を受け、「脱原発」を前面に掲げている。
◇門馬 和夫(もんま・かずお)氏
生年月日:1954年3月13日
出身地 :福島県南相馬市
出身校 :東北大工学部
主な経歴 : 南相馬市議(1期)、南相馬市経済部長、市総合病院事務長
◇桜井 勝延(さくらい・かつのぶ)氏
生年月日:1956年1月4日
出身地 :福島県南相馬市
出身校 :岩手大農学部
主な経歴 : 南相馬市長(2期)、南相馬市議(2期)、原町市議(1期)
立候補者の主な公約や主張など
▽門馬氏
・国や福島県との対立姿勢が目立ち、現市政を刷新していく
・中学生を対象にした海外研修を行い、教育改革の着手
・医療体制の拡充を強調し、市民が安心して暮らせる地域づくり
▽桜井氏
・東日本大震災の原発事故からの復興の加速
・子どもの教育環境の改善など、長期的な視点に立った施策の推進
・震災からの復興など、2期8年の市政運営の実績
選挙の争点や情勢、予想などを解説
南相馬市長選の争点は、市政の継続か刷新かがポイントになる。桜井氏は脱原発を前面に打ち出して、前回2014年の市長選で自民推薦候補を破って再選している。門馬氏は、桜井氏の脱原発政策を国や県との対立という構図に置き換えて、批判を展開している。震災からの復興の観点からも、桜井氏の3選が有力とみられる。
南相馬市長選は、多くの市民が避難生活を続けているため、選挙期間が通常より3日間ほど長い。1月21日に投開票される。1月11日現在の選挙人名簿登録者数は5万3350人。