任期満了に伴う岐阜市長選は1月21日、告示された。投開票は同28日。立候補者はいずれも無所属新人の7人だ。元岐阜市議の森下満寿美氏(57)=共産推薦=、菓子製造会社社長の中西謙司氏(56)=自民推薦、公明支持=、元国会議員秘書の吉田里江氏(52)、元衆院議員の柴橋正直氏(38)、元銀行員の小森忠良氏(59)、会社社長の棚橋保之氏(37)、尺八講師の中根西光氏(69)。立候補表明者の詳細や情勢予想などを伝える。
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岐阜市長選挙速報
森下満寿美氏 得票数 4566
中西 謙司氏 得票数30074
吉田 里江氏 得票数 7017
柴橋 正直氏 得票数64598 当選
小森 忠良氏 得票数 5140
棚橋 保之氏 得票数 8263
中根 西光氏 得票数 1329
※1月28日確定=投票率36.35%
岐阜市長選は柴橋氏が初当選した。
立候補者のプロフィルや主な経歴など
森下氏は岐阜商高の定時制を卒業後、岐阜市内の縫製会社に就職した。その後、1999年の岐阜市議選に初当選を果たし、1期務めている。現在は同市内で建築業を夫婦で共同経営している。
中西氏は東京大農学部を卒業後、広告代理店の国内最大手の電通に入社した。9年間の勤務後、岐阜市内にある実家の製菓会社、山中製菓に入社し、現在は3代目社長として会社のトップに立っている。同社はJリーグ・FC岐阜のスポンサー。
吉田氏は筑波大を卒業後、レイクワシントン大(米国)へ留学。筑波大大学院に進み、ウェールズ大(英国)でMBAを取得した。衆院議員秘書を務めた後、2010年参院選、14年と17年の衆院選で連続して落選している。
柴橋氏は大阪大を卒業。2002年にUFJ銀行に入行し、03年に小沢一郎政治塾に入塾。初出馬となった05年衆院選で落選するも、09年に現職閣僚の野田聖子氏を破って初当選した。12年の衆院選では野田氏に敗れ、14年岐阜市長選は次点で惜敗した。
小森氏は一橋大経済学部を卒業後、十六銀行に入行。同行のシンクタンクの十六総合研究所で研究員も務め、経済や市場などの研究・分析を行ってきた。その一環で高齢化社会への対応、まちづくりなども研究してきた実績がある。
棚橋氏はオクラホマ州立大(米国)を卒業。オランダ留学などを経て、愛知県の大手工作機械メーカーのヤマザキマザックに入社。コンサルタント会社、エネルギー関連会社での勤務後、農業機器などを扱うアンバサダーを創業し、社長を務めている。
中根氏は木曽川などで鵜飼を手掛けている。文化センターなどで尺八講師として活動をしており、琴古流竹友社師範という肩書を持つ。職歴・経歴や政策の詳細などについては、明らかになっていない。
◇森下満寿美(もりした・ますみ)氏
生年月日:1961年1月25日
出身地 :岐阜県郡上市
出身校 :岐阜商高(定時制)
主な経歴 : 岐阜市議(1期)
◇中西 謙司(なかにし・けんじ)氏
生年月日:1961年6月27日
出身地 :岐阜市
出身校 :東京大
主な経歴 : 製菓会社社長、電通社員
◇吉田 里江(よしだ・りえ)氏
生年月日:1965年12月11日
出身地 :名古屋市
出身校 :筑波大
主な経歴 : 衆院議員秘書
◇柴橋 正直(しばはし・まさなお)氏
生年月日:1979年7月3日
出身地 :京都市
出身校 :大阪大文学部
主な経歴 : 衆院議員(1期=岐阜1区)、UFJ銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行
◇小森 忠良(こもり・ただよし)氏
生年月日:1958年
出身地 :岐阜市
出身校 :一橋大経済学部
主な経歴 : 十六銀行行員、同総合研究所研究員
◇棚橋 保之(たなはし・やすゆき)氏
生年月日:1980年7月4日
出身地 :岐阜市
出身校 :オクラホマ州立大
主な経歴 : 会社社長、工作機械メーカー社員
◇中根 西光(なかね・にしみつ)氏
生年月日:―
出身地 :岐阜市
出身校 :岐阜大大学院
主な経歴 : 鵜飼研究家、尺八講師
立候補表明者の主な公約や主張など
▽森下氏
・中小企業振興条例をつくり、中小企業を応援したい
・新市庁舎建設計画の見直し、市民の声を取り入れた庁舎の建設を目指す
・市民が安心して暮らせる市政の確立
▽中西氏
・まちの活性化は広報を強化して、自治会を活性化させる
・現市政の継続をベースに、独自の政策を展開したい
・大企業や中小企業の勤務した経験を市政運営に生かしたい
▽吉田氏
・インバウンド(訪日外国人)を引き込み観光政策の強化
・新市庁舎の見直しを訴えて、岐阜市を発展させて住みよいまちにしていく
・経済や雇用を充実させ、地方や地域を再生させる
▽柴橋氏
・民間の力や資金でまちを活性化させたい
・岐阜城や岐阜公園を再整備して、観光事業の推進
・幼児教育の無償化、Uターンなどの移住者らに市民税の免除
▽小森氏
・市民と行政が出資し、電力会社をつくって雇用の創出
・建築費254億円という新市庁舎の建設計画を見直し、子どもの未来に生かしたい
・10年後を見据えたまちづくりをしていく
▽棚橋氏
・市の新鮮な食材を活用したグルメタウン構想
・岐阜市を農業先進国として誇れるまちづくりを目指す
・IoT、教育、防災を結び付け、農業先進都市モデルとして世界発信させる
▽中根氏
・長良川鵜飼いの世界遺産登録を成功させ、市の総合的な経済活性化戦略にする
選挙の争点や情勢、予想などを解説
岐阜市長選の争点は、現市政の継続か刷新かになる。現在の立候補表明者は7人で、このまま告示を迎えれば、過去最多の立候補者になる。
有力なのは前回2014年市長選で5万票以上を獲得した柴橋氏、自公推薦の中西氏だ。事実上、この2人の一騎打ちになる公算が大きくなっている。
1月28日の投票時間は7~20時で、即日開票する。2017年12月1日現在の選挙人名簿登録者数は33万9882人(男16万1136人、女17万8746人)。