前市長の辞職に伴う広島県東広島市長選挙は1月28日、告示された。投開票は2月4日。立候補者は、いずれも無所属の新人で、同市前産業部長の前藤英文氏(60)、前広島県副知事の高垣広徳氏(64)=自民、公明、民進推薦=、会社社長の有田清士氏(29)の3人。立候補者の詳細や情勢予想などを伝える。
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東広島市長選挙速報
前藤 英文氏〇 得票数19921
高垣 広徳氏◎ 得票数29048 当選
有田 清士氏 得票数 3169
※情勢予想で◎=有力、〇=やや有力、△=苦戦、無印=評価対象外
※2月4日確定=投票率35.86%
東広島市長選は高垣広徳氏が初当選した。
立候補者のプロフィルや主な経歴など
前藤氏は広島市立元基高から関西学院大に進学。卒業後、1981年に東広島市役所入りし、36年9カ月勤務した。市役所では主要ポストを歴任し、同市企画課長、企画振興部長などを務め、2014年から産業部長に就任した。市長選に出馬するため、1月12日付で退職している。
高垣氏は大阪大工学部を卒業。1976年に広島県庁入りし、秘書課長補佐、土木局長などを歴任。2013年3月に退職し、農業関連機械メーカーで東広島市の「サタケ」に入社し、経営本部長、エンジニアリング部門の本部長を務めた。その後、14年4月に広島県副知事に就任した。
有田氏は島根大生物資源科学学部を中退。2016年4月に安芸高田市長選挙(広島県)に出馬し、得票数が748で供託金を没収されている。11月の安芸高田市議選にも出馬したが、候補者22人中21位の得票数で落選している。さらに、15年には東広島市議選にも出馬して落選した。
◇前藤 英文(まえとう・ひでふみ)氏
生年月日:1957年8月19日
出身地 :広島県東広島市
出身校 :関西学院大
主な経歴 : 東広島市産業部長、同企画振興部長
◇高垣 広徳(たかがき・ひろのり)氏
生年月日:1953年9月23日
出身地 :広島県尾道市
出身校 :大阪大工学部
主な経歴 : 広島県副知事、広島県土木局長、土木整備局長
◇有田 清士(ありた・きよし)氏
生年月日:1988年4月16日
出身地 :広島県東広島市
出身校 :島根大生物資源科学学部中退
主な経歴 : 市場調査会社社長
立候補者の主な公約や主張など
▽前藤氏
・広島大周辺の交通整備事業や産学連携によるまちの活性化策
・企業誘致、地域資源を生かして、移住・定住に向けた施策の実現
・木質バイオマスの活用、子育て環境の拡充に向けた保育施設の充実
▽高垣氏
・41年間の行政経験で培った国・県との強いパイプを生かしたい
・多彩な人脈を生かした素晴らしい東広島をつくっていきたい
・雇用の促進、農業従事者の所得増など自立できる環境づくり
▽有田氏
・道州制の議論をしていきたい
選挙の争点や情勢、予想などを解説
東広島市長選の争点は、地域活性化や定住・移住へ向けた魅力あるまちづくりなどが挙げられる。前藤氏は東広島市職員として、長年のキャリアを持ち、市の課題などを熟知している。高垣氏は地元の経済界などが出馬を要請しており、強固な支持母体で選挙戦を優位に進めている。
選挙戦は事実上、この2氏による一騎打ちになっている。現状では高垣氏がややリードしているが、地元に強い人脈のある前藤氏の終盤の追い上げなど、接戦になる可能性も出ている。
2月4日の投票時間は7~20時で、21時15分から「中央中学校屋内運動場」で即日開票する。1月27日現在の選挙人名簿登録者数は14万7989人。