2018年12月に任期満了する兵庫県尼崎市長選挙に、現職の稲村和美氏(45)が3選を目指して立候補する意向を明かした。近日中に立候補を記者会見で正式表明する。同市長選の立候補表明者は稲村氏が初めて。
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稲村氏は3月7日の尼崎市議会本会議で、3期目の市政運営に意欲的な姿勢を明らかにした。大型の継続事業について引き続き、陣頭指揮を執ることに積極的だ。「今後は後援会関係者と相談しながら、できるだけ早い時期に決意表明をする」と述べた。
大型事業は稲村氏の2期目で始まり、2019年に一般公開予定の尼崎城の再建・修復、市に譲渡された「旧聖トマス大学」跡地で、教育関連施設の整備がスタートしている。中学校の給食化、行財政改革が3期目で最終段階を迎える。稲村氏は事業継続の責任を最後まで果たしたい意向だ。
現状では有力な対立候補が出ていないので情勢予想が流動的な状況。今後、告示までに政党支援や推薦を受けた立候補表明者が出てくることも想定される。
▽尼崎市メモ
位置:兵庫県南東部に位置し、伊丹市や西宮市などに隣接
人口:45万989人(2018年1月1日現在)
特色:県内4位の人口規模の中核市
名産品:ウスターソース、水アメ
神戸大法学部を卒業。在学中の1995年に阪神大震災を経験し、「神戸大学総合ボランティアセンター」を設立して、初代の代表に就任した。02年に神栄石野証券を退社し、全日空の客室乗務員だった前女性市長の白井文氏の選対事務所スタッフ入り。03年兵庫県議選で初当選して2期務め、10年尼崎市長選で初当選し、14年に再選した。
◇稲村 和美(いなむら・かずみ)氏
生年月日:1972年11月10日
出身地 :奈良市
出身校 :神戸大大学院
主な経歴 : 尼崎市長(2期)、兵庫県議(2期)
▽経歴詳細
1998年:神栄石野証券(現SMBC日興証券)入社
2002年:同社退社
2003年:兵庫県議(1期目)
2007年:兵庫県議(2期目)
2010年:尼崎市長(1期目)
2014年:尼崎市長(2期目)
▽公約・政策・主張
・全ての小中学校にエアコンを整備して、学習環境を支援
・中学校給食の実現に向けた検討を開始
・市民参加型シティプロモーションの推進
・市民自治基本条例の制定
・休日夜間診療所の老朽化対策に取り組む
・防災意識の向上に加え、さらなる防災対策の推進
▽2014年11月16日執行=投票率25.69%
稲村 和美氏 得票数70642 当選
広瀬 幸夫氏 得票数23585
稲村氏が共産推薦の新人・広瀬氏を大差で破って再選を決めた。投票率は30%を切る過去最低の25.69%とあって、市民の深刻な市政への無関心が浮き彫りになっている。