任期満了に伴う福島県南会津町長選挙は4月17日、告示された。投開票は同22日。立候補者はいずれも無所属で、8年ぶりの返り咲きを目指す元職の湯田芳博氏(67)、元町総務課長で新人の湯田文則氏(61)、3選を目指す現職の大宅宗吉氏(69)の3人。現職、元職、新人の三つどもえとなった。南会津町長選挙の立候補者の公約や経歴、情勢予想、投票・開票の結果速報を伝える。
スポンサーリンク
湯田 芳博氏 得票数3539
湯田 文則氏△ 得票数3209
大宅 宗吉氏〇 得票数4420 当選
※◎=確実 〇=有力 △=善戦 無印=対象外
※投票率82.41%
南会津町長選は、現職の大宅氏が新人2氏を破り、3選を決めた。
【候補者のスコアリング】
▽湯田芳氏
①公約や主張=2.5
②経歴=2.5
③支持基盤=2
=合計7ポイント
▽湯田文氏
①公約や主張=3
②経歴=3
③支持基盤=3.5
=合計9.5ポイント
▽大宅氏
①公約や主張=3
②経歴=3.5
③支持基盤=3.5
=合計10ポイント
※候補者のスコアリングは5段階評価で当サイト独自調査による
4月22日の投票は、7~18時に町内55カ所の投票所で行い、20時から「南会津町田島体育館」で即日開票する。大勢判明は21時40分ごろの見通し。4月16日現在の選挙人名簿登録者数は1万3982人(男6809人、女7173人)。任期満了日は4月29日。
▽期日前投票
期間:4月18日~21日
時間:8時半~20時
投票所:南会津役場、各総合支所
▽南会津町メモ
位置:福島県部南西部の南会津郡にある
面積:886.47㎢
隣接:下郷町、檜枝岐村、只見町、昭和村、栃木県・那須塩原市、日光市
人口:1万5899人(2018年4月1日現在)
観光地:奥会津博物館(旧大竹家住宅)、重要伝統的建造物の「前沢曲屋集落」
名産品:会津地鶏、田島万古焼
有名人:渡辺恒三(衆院議員、元民主党最高顧問)、若林健次(漫画家)
南会津町長選の争点は、現職の大宅氏の2期8年の町政評価になる。深刻な少子高齢化が進み、子育て支援策や高齢者福祉もポイント。農林業や観光業の振興策、まちの活性化も論戦のテーマになっている。
対立の構図は地域の争いの様相を呈しており、同町伊南の大宅氏=西部VS同町田部原の湯田文氏=東部という構図だ。首長とかつての側近だった両氏の分裂選挙ともいえ、元職の湯田芳氏も出馬し、複雑な相関図となっている。
情勢を予想すると、支持層の広がりを持つ大宅氏が優勢か。町政の刷新を掲げる湯田文氏も追い上げを見せており、選挙戦の終盤以降の情勢によっては、新風が吹く可能性も十分に考えられる。
◇湯田 芳博(ゆだ・よしひろ)氏
生年月日:1950年11月29日
出身地 :福島県南会津町
出身校 :福島県立田島高
主な経歴 : 南会津町長(1期)、旧田島町長(1期)、団体役員
福島県立田島高を卒業。2004年に旧田島町長に就任し、06年に合併後の南会津町長に当選。10年と14年の町長選に出馬したが、ともに大宅氏に敗れている。
◇湯田 文則(ゆだ・ふみのり)氏
生年月日:1956年9月23日
出身地 :福島県南会津町
出身校 :神奈川大
主な経歴 : みなみやま観光社長、南会津町総務課長、町商工観光課長
神奈川大を卒業後、1979年に旧田島町職員に採用された。合併伴って誕生した南会津町総務課長などを歴任し、町政運営の中枢で行政を担ってきた。
◇大宅 宗吉(おおや・そうきち)氏
生年月日:1949年3月10日
出身地 :福島県南会津町
出身校 :福島県立南会津高
主な経歴 : 南会津町長(2期)、南会津町議(1期)、旧伊南村議(1期)
福島県立南会津高を卒業。旧伊南村議、南会津町議を経て、2010年の南会津町長選で初当選した。14年に再選。10年と14年の町長選は、湯田芳氏を破っている。
▽湯田文氏
・県立田島高で寄宿舎制度を設け、首都圏からの生徒受け入れ
・県立高校の空き教室を使った専門的な講座の開設
・南会津健康温泉ランドを建設
▽湯田文氏
・保育料無料化の4歳までの拡大と学校給食費の無料化
・空き家対策として移住、定住の促進、観光客増を図る
・介護職員の処遇改善と人材確保で、高齢者福祉を拡充
▽大宅氏
・町庁舎の新築など2期8年の町政運営の実績
・子育て支援策の一環として、高校までの医療費無料化
・少子高齢化への対応、農林業や観光業などの振興策
▽2014年4月20日執行=投票率83.47%
大宅 宗吉氏(65)=現 得票数6302 当選
湯田 芳博氏(63)=元 得票数5626
前回2014年南会津町長選は、現職の大宅氏が元職の湯田氏を破り、再選を決めた。