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指を9本失った登山家の栗城史多さんが死亡 下山途中のエベレストで

投稿日:2018年5月21日 更新日:

冬山登山の凍傷で、指を9本失った登山家の栗城史多(くりき・のぶかず)さん(35)が5月21日、エベレスト登山中に死亡した。体調を崩して下山中に遭難し、捜索隊が遺体を確認した。所属事務所が栗城さんの公式フェイスブックなどで発表した。栗城さんは北海道今金町出身。エベレストへの挑戦は今回が8度目で、志半ばで天国に旅立ってしまった。

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引用:栗城さんの公式HPから

体調不調を訴えて下山途中に遭難

栗城さんは、4月17日に日本を出発。同27日にネパール側のベースキャンプ(BC)に到着した。5月5日からアタックを開始した。

5月20日に7400m付近に到達したが、無線で体調不良を訴えて、同21日未明の下山するとの連絡を最後に消息が途絶えていた。同日早朝、別働していたスタッフによって、栗城さんの遺体を発見したという。

遺体には目立った外傷はないという。死因などの詳細は調査中。現状では遭難した理由など分かっていない。

このようなお知らせになり大変申し訳ございませんが、
エベレストで下山途中の栗城が遺体となり発見されました。下山を始めた栗城が無線連絡に全く反応しなくなり、
暗い中で下から見て栗城のヘッドランプも見当たらないことから
キャンプ2近くの撮影隊が栗城のルートを登って捜索し、
先ほど低体温で息絶えた栗城を発見いたしました。生きて帰ることを誓っておりましたのに、
このような結果になり大変申し訳ございません。栗城事務所  小林幸子
引用:栗城史多“SHARE THE DREAM”

2012年10月のエベレスト挑戦で指9本を失う

栗城さんは2004年6月にマッキンリー(6194m)の単独登頂に成功。2012年10月のエベレスト遠征で、強風などの気象状況の悪化によって凍傷にかかり、両手の指を9本失った。

【栗城史多さんの遠征歴】※公式ホームページによる

2004年6月 マッキンリー(6194m)の単独登頂
2005年1月 アコンカグア(6959m)の単独登頂=ポーランド氷河ルート
2005年6月 エルブルース(5642m)の単独登頂
2005年10月 キリマンジャロ(5895m)の単独登頂
2006年10月 カルステンツピラミッド(4884m)単独登頂
2007年5月 チョ・オユー(8201m)単独・無酸素登頂=7500m地点からスキー滑走
2007年12月 ビンソンマシフ(4892m)単独登頂
2008年10月 マナスル(8163m)単独・無酸素登頂
2009年5月 ダウラギリ(8167m)単独・無酸素登頂
2009年9月 エベレスト北側(8848m)=メスナールートで7900mまで到達
2010年5月 アンナプルナ(8090m)=7700mまで到達
2010年10月 エベレスト南側(8848m)=7750mまで到達
2011年5月 シシャパンマ南西壁(8027m)=7600mまで到達
2011年10月 エベレスト(8848m)=サウスクロワールルート7800mまで到達
2012年6月 シシャパンマ南西壁(8027m)=6500m付近から滑落も無事
2012年10月 エベレスト(8848m)=西稜ホーンバインクロワール8070mまで到達。強風で両手、両足、鼻が重度の凍傷になり、両手の指9本を失う
2014年7月 ブロードピーク(8047m)単独・無酸素登頂
2015年10月 エベレスト(8848m)=8150mまで到達。ネパール大震災のため、北側(中国)からネパール側に計画を変更
2016年10月 エベレスト(8848m)=7400mまで到達
2017年5月 エベレスト(8848m)=6800mまで到達
2018年5月 エベレスト(8848m)=7400m付近から下山中に死亡

北海道今金町出身の登山家

栗城さんは北海道今金町出身。株式会社「たお」代表取締役で、2011年9月からよしもとクリエイティブ・エージェンシーと業務契約を結んでいる。全国各地で講演活動なども行っていた。

登山の模様をインターネット生中継で発信するなど、ざん新な手法で紹介。栗城さんは目標としていた7大陸最高峰の「単独無酸素登頂」を目指し、最後に残されて1座がエベレストだった。

▽栗城 史多(くりき・のぶかず)
生年月日:1982年6月9日
出身地:北海道今金町
出身校:札幌国際大

栗城史多さんのエベレスト登頂は無謀だったのか?

栗城史多さんのエベレスト登頂に関して、無謀な挑戦と指摘する登山関係者も多い。エベレストの登頂歴がある山岳ジャーナリストは「世界でエベレストを単独登頂できるのは十数人レベル。単独無酸素登頂では現在、世界でも1~2人いるかどうか。あの(栗城さんの)レベルでは絶対に登頂はできない」と即答している。

8000mを超えると、酸素は通常の3分1程度。生命の危機に直面するまさに「デスゾーン」となる。エベレストを無酸素登頂したのは日本人も含む過去に100人。その中で無酸素単独登頂は、1980年に成功したイタリア人登山家のラインホルト・メスナー氏ただ一人とされる。

栗城さんの挑戦は無謀とも言われるが、夢を持って前進する姿に共感した人も多い。5月21日に実家の今金町で眼鏡店の営む父・敏雄さんは笑いながら「好きなエベレストで消えた。ありがとうございます。バカやろうではなく、今までよく頑張ったと言いたい」とテレビの取材に答えていたのが印象的だった。

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