任期満了に伴う岐阜県知事選挙は1月7日、告示された。投開票は同24日。立候補を届け出たのはいずれも無所属で、新人で元内閣府官房審議官の江崎禎英氏(56)、新人で新日本婦人の会岐阜県本部会長の稲垣豊子氏(69)=共産推薦=、新人で元岐阜県職員の新田雄司氏(36)、5選を目指す現職の古田肇氏(73)4人。保守分裂となった岐阜県知事選の立候補者の公約や政策、経歴、情勢予想、投票・開票の結果速報を伝える。
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目次
岐阜県知事選挙2021の開票速報・投票率速報・当選予想
江崎 禎英氏△ 得票数319188
稲垣 豊子氏 得票数 49928
新田 雄司氏 得票数 32316
古田 肇氏〇 得票数388563 当選
※◎=確実 〇=有力 △=善戦 無印=対象外
※投票率48.04%=確定
岐阜県知事選は、現職の古田肇氏が新人3氏を破り、5選を果たした。
【前回2017年の岐阜県知事選挙の状況】
▽1月29日執行=投票率36.39%
古田 肇氏(69)=現 得票数493224 当選
高木 光弘氏(57)=新 得票数112382
※年齢は当時
【候補者のスコアリング】(=ポイント)
▽江崎 禎英氏
①公約や主張=3
②経歴=3
③支持基盤=2.5
=合計8.5P
▽稲垣 豊子氏
①公約や主張=1.5
②経歴=2
③支持基盤=1
=合計4.5P
▽新田 雄司氏
①公約や主張=3
②経歴=2
③支持基盤=1.5
=合計6.5P
▽古田 肇氏
①公約や主張=3
②経歴=3.5
③支持基盤=3
=合計9.5P
※候補者のスコアリングは5 段階評価で15点満点
※「11P~=◎」「9P~=〇」「7P~=△」「6.5以下=対象外」
※採点は当サイト独自調査による
岐阜県知事選挙2021の有権者や投票、岐阜県の詳細
1月24日の投票は、7~20時(一部地域で繰り上げ)に岐阜県内各投票所で行い、即日開票する。1月6日現在の選挙人名簿登録者(有権者)数は166万5588人(男80万5037人、女86万551人)。
▽岐阜県知事選に投票できる人
- 日本国籍を有している人
- 2003年1月25日以前に生まれた人
- 2020年10月23日以前に岐阜県に転入届を提出し、県内に住所を有している人
▽期日前投票
期 間:1月8日~23日
時 間:8時半~20時
投票所:岐阜県内各所
▽岐阜県メモ
位置 | 日本の中部、東海地方にある |
面積 | 1万621.29㎢ |
隣接 | 富山、石川、福井、長野、愛知、三重、滋賀各県 |
人口 | 197万5397人(2020年9月1日現在) |
県庁 | 岐阜市 |
市町村 | 21市19町2村 |
区分 | 岐阜、中濃、東濃、飛騨各地域 |
岐阜県知事選挙2021の立候補者のプロフィールや主な経歴など
◇江崎 禎英(えさき・よしひで)氏
生年月日:1964年11月27日
出身地 :岐阜県山県市(旧美山町)
出身校 :東大教養学部
主な経歴:内閣府大臣官房審議官、岐阜県商工労働部長
東大を卒業。1989年に通産省(現経産省)入省。2009年に岐阜県商工労働部長、14年に経産省ヘルスケア産業課長、20年内閣府大臣官房審議官(科学技術・イノベーション担当)などを歴任。岐阜県知事選出馬のため、同年11月に退職した。
◇稲垣 豊子(いながき・とよこ)氏
生年月日:1951年
出身地 :岐阜市
出身校 :岐阜大教育学部
主な経歴:新日本婦人の会岐阜県本部会長、小中学校教諭
岐阜大を卒業。2011年まで岐阜市などの小中学校で教諭として勤務した。岐阜県教職員組合執行委員、岐阜県労働組合総連合幹事などを務めた。現在は「県民が主人公の岐阜県政をつくる会」代表委員などの市民団体などで活動している。
◇新田 雄司(にった・ゆうじ)氏
生年月日:1984年
出身地 :岐阜県坂祝町
出身校 :岐阜薬科大院
主な経歴:岐阜県職員、薬剤師
岐阜薬科大を卒業後、同大薬学研究科修士課程を修了。2009年4月に岐阜県職員に採用された。県職員として主に環境行政に携わってきた。岐阜県知事選挙出馬のため、20年3月で退職。市内のドラッグストアで薬剤師として勤務。
◇古田 肇(ふるた・はじめ)氏
生年月日:1947年9月13日
出身地 :岐阜市
出身校 :東大法学部
主な経歴:岐阜県知事(4期)、旧通産省(現経産省)官僚
1971年に東大を卒業。同年7月に通産省に入省した。94年の羽田孜首相の秘書官に就任し、2002年に外務省に出向して経済協力局長を務めた。05年の岐阜県知事選挙に無所属で出馬して初当選し、連続4選を果たしている。
岐阜県知事選挙2021の立候補者の主な公約・政策、主張
▽江崎 禎英氏
【政策・公約】
- 新型コロナウイルス対策として、重症化リスクの高い高齢者や有病者らを徹底支援
- 新型コロナウイルス感染対策の新技術導入、地域の実情に即した営業時間などの設定
- コロナ禍を見据え、徹底したデジタル化の推進
- 子どもの教育環境や子育て環境の整備
- 高齢者の社会参画の積極的な推進
- 地域や国内に軸足を置いた製造業の再構築
- 付加価値の高い農林畜産業の実現
- 豪雨災害や東海・東南海地震に備えたハード面の整備、ソフト面の対策強化
- 地域の伝統文化を守り、新たな担い手の育成
- 財政の健全化を進め、全県職員の能力を引き出す県政の実現
▽稲垣 豊子氏
【政策・公約】
- 新型コロナウイルス感染症対策として、PCR検査と医療の抜本的拡充
- 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた雇用と事業の維持、継続を図る
- 若者や女性の貧困対策を推進
- 最低賃金の引き上げなど雇用を守る
- 少人数学級の実現、子ども医療費を18歳まで無料にする
- 少なすぎる中小企業、地場産業、農林業の各予算の増額
- 664億円の県庁舎建設、リニア関連など大型開発事業の見直し
- 多様性を大切にし、男女格差を是正
- 原発ゼロを目指し、再生可能エネルギーの普及
- 核兵器を廃絶し、戦争をしない憲法を順守する
▽新田 雄司氏
【政策・公約】
- 新型コロナウイルス感染拡大による県独自の3段階の警戒レベルを導入
- 営業自粛や時短要請に伴う飲食店などへの補償(協力金)支給のルール化
- 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)公表のルール化
- 新型コロナウイルス感染症対策として、保健所機能の強化
- 災害対応への機動力確保のため、情報収集の効率化を図る
- 中小企業による子育ての取り組みを支援
- 子どもの居場所づくりを支援
- 担い手人材の育成、産業の育成で雇用の充実化を目指す
- 隣接7県との観光交流などを通じて岐阜の魅力を発信し、観光産業の活性化を図る
- 医療や介護サービスがスムーズに受けられる体制を構築
▽古田 肇氏
【政策・公約】
- 新型コロナウイルス感染症対策として、「岐阜モデル」の感染防止対策の推進
- 医療・福祉体制を崩壊させない施策の実現
- コロナハラスメントの徹底防止
- 災害に負けない生活インフラの整備
- 災害の避難所運営や設営について、市町村支援の体制強化
- スマホで完結する行政サービスの実現
- 「5G」を社会に実装する
- 在宅勤務、ワーケーションの整備、サテライトオフィスの誘致
- オンライン教育の推進、STEAM教育の導入、プログラミング教育の充実
- こども食堂、こども宅食など子どもの貧困対策の強化
岐阜県知事選挙2021の争点や情勢、予想を解説
岐阜県知事選は、1966年以来、55年ぶりの保守分裂選挙となった。現職の古田肇氏が当選すると、戦後の公選制導入後、最長の5期となる。選挙戦は、5選を狙う現職に対し、新人3人が挑む構図となる。新型コロナウイルス感染拡大防止策として、各候補とも「密」を避けるなど、対応に苦慮しながら選挙戦を進めている。
選挙戦の争点は、全国各地で爆発的な感染が続いている新型コロナウイルス感染症への対策。感染拡大防止策、PCR検査の拡充などが挙げられる。コロナ禍による落ち込んだ経済回復策、失業や収入減による県民や事業者支援なども大きな関心を集める。県政の継続が刷新かも含めて、県民が審判を下すことになる。
保守分裂の知事選は、新人の江崎禎英氏と古田氏の支援をめぐり、自民党県連などで分かれている。自民党県議の支援も両氏に半数程度に分かれている。選挙戦は事実上の江崎、古田両氏の一騎打ちとなっている。
情勢を予想すると、江崎、古田両氏の接戦が予想される。岐阜県は同県選出の衆参両国会議員が全て自民で占められている自民王国。自民党が圧倒的な支持基盤を持つ。分裂のきっかけは、古田氏の5選出馬をめぐって、自民党県連への報告が遅延したこと。このため、県連では新たに江崎氏を擁立して、対立している構図となっている。県連が江崎氏を擁立したのは、感情論が強いとの見方もある。
2021年1月24日執行の注目選挙一覧
当サイトでは岐阜県知事選挙以外にも、1月24日執行のそのほかの注目選挙も掲載している。