任期満了に伴う埼玉県川越市長選挙は1月17日、告示された。投開票は同24日。立候補を届け出たのはともに無所属で、新人で元川越市議の川目武彦氏(42)=自民、公明、立憲民主推薦=と、4選を目指す現職の川合善明氏(70)の2人。川越市長選の立候補者の公約や政策、経歴、情勢予想、投票・開票の結果速報を伝える。ともに弁護士同士の現新の一騎打ちとなった。
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川越の街並み
目次
川越市長選2021の開票速報・投票率速報・当選予想
川目 武彦氏△ 得票数24613
川合 善明氏〇 得票数38465 当選
※◎=確実 〇=有力 △=善戦 無印=対象外
※投票率22.03%=確定
川越市長選は、現職の川合善明氏が新人の川目武彦氏を破り、4選を果たした。
【前回2017年川越市長選の状況】
▽1月22日執行=投票率29.67%
川合 善明氏(66)=現 得票数56597 当選
渋谷 実氏(73)=新 得票数16188
本山 修一氏(68)=新 得票数11726
※年齢は当時
【候補者のスコアリング】(P=ポイント)
▽川目 武彦氏
①公約や主張=3
②経歴=3
③支持基盤=2.5
=合計8.5P
▽川合 善明氏
①公約や主張=1.5
②経歴=4
③支持基盤=3.5
=合計9.0P
※候補者のスコアリングは5段階評価で15点満点
※「11P~=◎」「9P~=〇」「7P~=△」「6.5P以下=対象外」
※採点は当サイト独自調査による
川越市長選挙2021の有権者や投票、川越市の詳細
1月24日の投票は、7~20時に川越市内56カ所の投票所で行い、21時から「川越運動公園総合体育館」で即日開票する。1月16日現在の選挙人名簿登録者(有権者)数は29万3674人。
▽川越市長選に投票できる人
- 日本国籍を有している人
- 2003年1月25日以前に生まれた人
- 2020年10月17日以前に川越市へ転入届を出し、引き続き住所を有する人
▽川越市長選挙の期日前投票
期 間:1月18日~23日
時 間:8時半~20時
投票所:4カ所
- 川越市役所7階7A会議室
- 川越市民サービスステーション会議室(U PLACE3階)=20~22日・9時半~20時半、23日・9時半~19時
- メルト(西文化会館)=20~23日、9時半~19時
- 高階市民センター(20~23日、9時半~19時)
▽川越市メモ
位置 | 埼玉県の南西部にある |
面積 | 109.13㎢ |
隣接 | 上尾、さいたま、坂戸、狭山、鶴ケ島、所沢、日高、富士見、ふじみ野各市、三芳、川島両町 |
人口 | 35万3260人(2021年1月1日現在) |
市長給与 | (月額)107万3000円 |
観光地 | 川越一番街、川越市立美術館、川越市産業観光館、 |
名産品 | サツマイモ、川越茶、川越団子、せんべい、うなぎのかば焼き、しょうゆ |
有名人 | 市村正規(俳優)、樋口久子(女子プロゴルファー) |
川越市長選2021の立候補者のプロフィールや主な経歴
◇川目 武彦(かわめ・たけひこ)氏
生年月日:1978年
出身地 :埼玉県川越市
出身校 :上智大法学部
主な経歴:川越市議(1期)、弁護士・弁護士法人代表
上智大を卒業。2002年に司法試験に合格し、04年に埼玉弁護士会に弁護士登録。09年にさいたま市に法律事務所を開設した。16年に米カリフォルニア大バークレー校客員研究員に就任。19年の川越市議選で初当選した。
◇川合 善明(かわい・よしあき)氏
生年月日:1950年10月26日
出身地 :埼玉県川越市
出身校 :早大政治経済学部
主な経歴:川越市長(3期)、弁護士、元東京弁護士会副会長
早大を卒業後、東京教育大(現筑波大)に学士入学。1979年に弁護士登録し、東京弁護士会に所属した。都内で法律事務所を開設した。2009年の川越市長選で初当選し、13年に無投票再選、17年に3選を果たした。
川越市長選挙2021の立候補者の主な公約・政策、主張
▽川目 武彦氏
【政策・公約】
- 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種体制の整備
- 新型コロナウイルス感染症による低迷した経済の回復
- 新入学時の給食費を無料化
- 川越駅西口の県庁跡地を再開発し、近代的な公園に整備
- 図書館の機能を整備し、子どもが集まるように改革
▽川合 善明氏
【政策・公約】
- 新型コロナウイルス感染症対策の取り組み
- 新型コロナウイルス感染症による低迷した経済の活性化、財政健全化の維持
- 寺尾地区の水害対策などの防災機能の強化
- 伝統的建造物の維持、保存に向けた民間との連携強化
- 南古谷駅前の整備の推進
川越市長選挙2021の争点や情勢、予想を解説
川越市長選の争点は、市政の継続か刷新か。現職の川合善明氏は、市長任期を最長3期(12年)までとする努力義務の「多選自粛条例」制定。だが、4選出馬のため、廃止条例案を川越市議会に提出して可決された。新人の川目武彦氏は、現職の多選批判を批判し、川越市長選の大きな争点になっている。中核市の保健所設置市として、新型コロナウイルスのPCR検査を濃厚接触者以外にも拡充させるなど、感染拡大防止策も重要なテーマになる。
「多選自粛条例」は、川合氏の提案によって、昨年12月22日の川越市議会で賛成多数で廃止が可決された。条例は川合氏が川越市長選に初当選した2009年に条例案を提出し、可決された。選挙戦の公約にも掲げていた。同年の選挙戦では、川合氏が当時の市長の多選を批判していた。
新人の川目武彦氏は、川合氏が公約をほごにした「多選自粛条例」の廃止について批判を展開している。川越市議会で可決されたとはいえ、市民の中にも不信感を持つ有権者も少なくない。継続が予想される新型コロナウイルス対応など、高齢の現職に対し、若さとスピードを前面に押し出した選挙戦を展開している。
情勢を予想すると、現状は現職にとって優位な選挙戦だ。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、国の緊急事態宣言が再び発出され、埼玉県を含む11都府県に発令された。このため、地方選では知名度に劣る新人が苦慮している。感染拡大防止のため、演説などを控えて3密対策を講じている。有権者との接触も控えるなど、苦戦が続いている。
首都圏の首長選では、投票率が著しく低いため、新人が現職を破るのは難しい側面もある。今回の川越市長選では、多選を批判する川目武彦氏に対し、一定の支持層もいる。一方でコロナ禍とあって、川合善明氏に継続した市政運営を願う声もある。選挙戦は接戦となる可能性も出ている。
川越市長選以外の2021年1月24日執行の注目選挙
当サイトでは川越市長選以外にも、1月24日執行のその他の注目選挙も掲載している。