北海道の道南に位置する大沼公園周辺では、ヒマワリが鮮やかに咲き誇っている。見ごろは8月中旬から9月中旬にかけて。大沼はヒマワリの名所として知られ、道内外から多くの観光客も訪れる。道内では今、黄色い「戦い」が静かに展開されている。
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「ひまわりの山里」は、JR函館線の大沼駅、大沼公園駅からともに2kmほど離れた場所にある。約7000平方メートルの休耕地を活用し、約30万本のヒマワリを試験的に植えた。駒ケ岳の雄大な姿をバックに、人の背丈ほどに育ったヒマワリが、力強く育っている。地元の大沼交通と農家がコラボし、休耕地を整備してヒマワリの生育を始めた珍しいケースだ。
今年は降雨の影響で開花予想日が数日遅れたが、これを取り戻すかのように鮮やかに色づいている。同社の小林克彦社長は「しばらく大沼を訪れていない函館、道南圏の方々にも自由に写真を撮ったりして楽しんで、足を運んでもらえれば」(8月21日付函館新聞)と話している。
北竜町、美瑛も北海道を代表する名所でピークは8月下旬まで
これに負けていないのが北竜町だ。ヒマワリの里として、町では大々的にPRしている。町内には23ヘクタールのヒマワリ畑に、150万本というケタ違いのヒマワリが咲く道内一の名所だ。ロングラン開催となった「第31回ひまわりまつり2017」は7月15日から8月20日の37日間にわたって実施。8月下旬までは入場することが可能だ。町の至る所にヒマワリのオブジェを目にする。
も一つのヒマワリの名所は、富良野市に隣接する美瑛町の「ひまわりの畑(ぜるぶの丘)」。同所は旭川と富良野両市のほぼ中間に位置し、夏の観光スポットとして観光客が集中するエリアでもある。ただし、お盆を過ぎると徐々に観光客も少なくなり、北海道観光のベテランならこの時期めがけて来道する人もいる。旭岳や十勝岳連峰の山々を背景に、これぞ北海道の雰囲気を醸し出す。8月下旬までがピークだ。
北海道は広大な大地でもあり、東西南北の両端で気候も若干違ってくる。その「誤差」によって、大沼のヒマワリは9月上旬までと、見ごろの時期がずれているのだ。北海道はほぼ全域で「亜寒帯湿潤気候」だが、大沼を含む道南の一部が「温暖湿潤気候」となり、微妙に線引きされている。
北海道の黄色い「戦い」は、規模や観光客の多さが北竜町と美瑛町に軍配が上がるが、見ごろの時期の長さが大沼町の方が上回る。もちろん、この3町とも甲乙つけがたい、北海道のヒマワリの名所であるのは間違いない。