北海道開発局は8月22日、2016年8月30日からの台風10号の影響で、通行止めになっている国道274号の日勝峠(日高町千栄~清水町間36.1km)が、10月末までに開通する見通しを発表した。
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同区間は昨年8月に十勝地方を中心に未曽有の被害をもたらした台風10号の影響で、土砂災害や橋りょうが崩落。道央と道東を結ぶ物流の大動脈が寸断されている。このルートは、国内シェアの約4割を占める十勝産ジャガイモ、大阪でシェア約8割の道東産サンマなど、農水畜産物の物流ルートの重要な役割を担っている。
国道274号が寸断された直後、並行している道東自動車道の占冠インターチェンジ(IC)~十勝清水ICの約47kmを代替路(無料)で通行する措置を取っている。国道274号の開通にともない、同区間の代替路措置が終了し、本来の有料区間に戻る。
台風被害で札幌圏と十勝圏を結ぶ国道とJR鉄道網が寸断されたが、被害が少なかった道東道はいち早く復旧。道庁の「北海道観光入込客数調査報告書」によると、釧路地区の観光客入込数は被災前の2015年9月~16年3月の370万人で、被災後の16年9月~17年3月が376万人となり、道東道の利用で観光客に足に影響が少ないことが明らかになっている。
災害被害は全66カ所。地域住民も開通に期待
台風の被害では、国道274号は道路や橋りょうが流されるなどの被害個所が66カ所に上った。日高町側30カ所、清水町側36カ所となっている。さらに、富良野方面から十勝地方へアクセスできる国道38号狩勝峠が9月11日に開通するまで、十勝地方への主要幹線道路が完全に寸断されていた。台風の被害直後、道路の寸断によって日高町の24世帯50人が孤立していた。
▽日高町の三輪茂町長のコメント
▽清水町観光協会の只野敏彦会長のコメント
北海道は開発局によると、復旧作業は最終段階に入っているが、今後の気象状況によって進ちょくの遅れも出てくるという。本格的な冬支度を始める前に、国道274号日勝峠の通行止め解除に向けて、作業を急ピッチで進めている。