任期満了に伴う福岡県久留米市長選挙は1月14日、告示された。投開票は同21日。立候補したのはいずれも新人で、元久留米大教授の宮原信孝氏(59)、元参院議員の大久保勉氏(56)、元商社勤務の田中稔氏(64)の3人。立候補者の詳細や情勢予想などを伝える。
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久留米市長選挙速報
宮原 信孝氏 得票数37201
大久保 勉氏 得票数42790 当選
田中 稔氏 得票数 5721
※1月21日23時19分確定=投票率34.90%
久留米市長選挙は新人の大久保勉氏が初当選を果たした。
立候補者のプロフィルや主な経歴など
宮原氏は東京大教養学部を卒業後、外務省に入省。ベトナム日本大使館参事官、中東2課長、在アフガニスタン日本大使館参事官を歴任した。2005年に久留米大国際文化学科の助教授として就任、07年~17年まで教授。前回14年久留米市長選は落選している。
大久保氏は京都大経済学部を卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)に勤務。米国・ニューヨーク支店長代理、モルガンスタンレー証券の役員も務め、国内外で経済の最前線に立っていた。2004年参院選で福岡選挙区から出馬して初当選し、2期12年務めた。
田中氏は早大を卒業後、総合商社大手の三菱商事に入社。国内外での勤務経験が長く、米国・ニューヨーク、香港などのアジア圏などで駐在員を経験している。豊富な民間経験を持っているのが強みで、2016年12月に出身地の久留米市に戻ってきた。
◇宮原 信孝(みやはら・のぶたか)氏
生年月日:1958年7月20日
出身地 :福岡県久留米市
出身校 :東京大教養学部
主な経歴 : 久留米大教授、外務省中東2課長、在アフガニスタン日本大使館参事官
◇大久保 勉(おおくぼ・つとむ)氏
生年月日:1961年3月11日
出身地 :福岡県久留米市
出身校 :京都大経済学部
主な経歴 : 財務副大臣、参院議員(2期)、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)
◇田中 稔(たなか・みのる)氏
生年月日:1953年4月27日
出身地 :福岡県久留米市
出身校 :早大
主な経歴 :三菱商事
立候補者の主な公約や主張など
▽宮原氏
・積極的に情報発信し、市民のための市役所に大改革
・子育て経験者を登用し、学童保育の充実
・スポーツや文化施設、田園地域開発で体験型観光の誘致
▽大久保氏
・楢原市政を継続させ、さらに発展させていく
・待機児童ゼロ、福岡の副都心としてJR久留米駅などの再開発
・農家出身を生かし、農業を成長産業に発展させていく
▽田中氏
・国内外の商社で40年務めたキャリアを生かし、稼げる市役所へ転換
・企業誘致を推進させ、税収増を図る
・小学校の給食無料化、女性副市長の登用
選挙の争点や情勢などを解説
久留米市長選の争点は、現市政の継続を訴える大久保氏に、刷新派の宮原、田中両氏という対立の構図になる。カギを握るのは、県内最多の久留米の5000近くの農家を掌握する県農政連5支部の支援体制だ。前回2014年市長選では、県農政連5支部が楢原市長を推薦。今回の市長選で楢原市長は、大久保氏の支持を表明している。
選挙戦は事実上の宮原、大久保両氏の一騎打ちの公算が大きい。支持母体の底堅さを考えると、現状で大久保氏が優勢とみられる。自民、民進、公明、共産各党は自主投票を決めている。
1月21日の投票時間は7~20時で、21時45分から「久留米市みづま総合体育館」で即日開票する。1月13日現在の選挙人名簿登録者数は25万1609人(男11万7589人、女13万4020人)。