任期満了に伴う埼玉県深谷市長選挙は1月21日、告示された。投開票は同28日。立候補者は、3選を目指す現職の小島進氏(57)=自民、公明推薦=、元埼玉県議で新人の加藤裕康氏(72)、福祉施設を経営する新人の加藤利江氏(69)の3人。立候補者の詳細や情勢予想などを伝える。
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深谷市長選挙速報
小島 進氏◎ 得票数29645 当選
加藤 裕康氏 得票数6739
加藤 利江氏 得票数10852
※情勢予想で◎=有力、〇=やや有力、△=苦戦、無印=評価対象外
※1月28日確定=投票率40.25%
深谷市長選は小島氏が3選を果たした。
立候補者のプロフィルや主な経歴など
小島氏は埼玉県立本庄高を卒業後、父親が創業した神田屋商店に入社。1996年に深谷市議選で初当選し、3期連続で務めて市議会議長などを歴任。2007年の3期目途中で辞職し、埼玉県議選に出馬して初当選した。10年に民主、みんなの党、連合埼玉の推薦を受け、現職候補を退け、深谷市長選に初当選。14年に再選した。
加藤裕氏は小樽商大商学部を卒業後、埼玉銀行(りそな銀行)に入行。支店長などを務め、本社副部長職を歴任した銀行マンだ。1992年に47歳で退職後、95年の深谷市議選に初出馬し、当選を果たした。99年埼玉県議選では自民公認で出馬し、初当選を果たして3期務めている。15年4月の同県議選では自民公認で落選している。
加藤利氏は深谷女子高を卒業。深谷市議を4期務め、副議長も歴任している。福祉支援に関する事業を手掛け、経営するカラオケ店で障害者を雇用するなど、福祉行政に対する知見を持ち合わせている。2012年には介護用品販売などを手掛ける民間会社の顧問に就任した。現在は福祉施設を多角的に経営している。
◇小島 進(こじま・すすむ)氏
生年月日:1960年10月3日
出身地 :埼玉県深谷市
出身校 :埼玉県立本庄高
主な経歴 : 深谷市長(2期)、埼玉県議(1期)、深谷市議(3期)
◇加藤 裕康(かとう・ひろやす)氏
生年月日:1945年7月20日
出身地 :埼玉県熊谷市
出身校 :小樽商大商学部
主な経歴 : 埼玉県議(3期)、深谷市議(1期)、埼玉銀行(現りそな銀行)
◇加藤 利江(かとう・としえ)氏
生年月日:1948年12月26日
出身地 :埼玉県深谷市
出身校 :深谷女子高
主な経歴 : 福祉施設経営、深谷市議(4期)
立候補者の主な公約や主張など
▽小島氏
・花園IC拠点整備プロジェクトの推進
・新市庁舎建設の推進
・未来に続く深谷市のまちづくりを目指す
▽加藤裕氏
・全国一の農業先進都市などを市政の柱に
・将来的に深谷氏、熊谷市などの大里郡の合併を目指す
・市政の転換に来ており、利権構造を打破して市の健全な発展を目指す
▽加藤利氏
・花園IC拠点整備に50億円の税金を投入する事業に反対
・税金投入の是非を問う選挙にしたい
・花園IC拠点整備は民間から資金を活用する事業に転換する
選挙の争点や情勢、予想などを解説
深谷市長選の争点は、関越自動車道花園インターチェンジ(IC)周辺で、市が展開している拠点整備計画だ。この周辺に国内最大級のアウトレットモールの誘致を目指して、まちを活性化させる構想を描いている。事業計画の是非をめぐり、推進派の小島氏と反対派の加藤利氏で対立している構図だ。加藤裕氏は明確な立場を明かしていない。
選挙戦は現職vs新人2人の戦いだが、小島氏の3選が有力だ。支持基盤の底堅さがあり、前回14年市長選でも圧勝している。加藤裕氏の政策はやや照準がぼやけている。加藤利氏は現職の政策に反対する典型の選挙パターンで、独自の政策が乏しい。加藤利氏は同市長選に女性候補の立候補が初めてと、強調している。
1月28日の投票時間は7~20時で、21時から「深谷市総合体育館(深谷ビッグタートル)」で即日開票する。1月20日現在の選挙人名簿登録者数は11万9751人。