任期満了に伴う福島県伊達市長選は1月21日、告示された。投開票は同28日。立候補者はいずれも無所属で、4選を目指す現職の仁志田昇司氏(73)に、元伊達市議の橘典雄氏(68)、元同市議の高橋一由氏(65)、元福島県議の遠藤保二氏(69)、前県北農林事務所長の須田博行氏(59)の4新人が挑む。立候補者の詳細や情勢予想などを伝える。
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伊達市長選挙速報
仁志田昇司氏〇 得票数8508
橘 典雄氏 得票数438
高橋 一由氏〇 得票数6291
遠藤 保二氏 得票数3359
須田 博行氏△ 得票数9642 当選
※情勢予想で◎=有力、〇=やや有力、△=苦戦、無印=評価対象外
※1月28日確定=投票率54.12%
伊達市長選は須田氏が初当選した。
立候補者のプロフィルや主な経歴など
仁志田氏は東京大工学部を1969年に卒業後、旧国鉄(現JR東日本)に就職。工場長や所長、JR東日本レンタリース社長を務めた。2001年の旧保原町長選で初当選、06年に合併によって誕生した伊達市長選で当選後、3期連続で当選している。
橘氏は2010年の市長選にも出馬したが、わずか1312票で、当選した仁志田氏の17390票に大差をつけられて敗北している。前回14年市長選も1062票の得票数で大敗。選挙戦では、個性的な公約や主張をするのが通例になっている。
高橋氏は福島県立保原高校を卒業。旧伊達町議を5期務め、議長経験もある。合併によって誕生した2006年伊達市議選に出馬し、連続3選を果たしている。前回14年市長選は、13559票を獲得したが、仁志田氏に2900票差で敗れている。
遠藤氏は1965年に福島県立保原高校(伊達市)で、夏の甲子園に出場。関東学院大経済学部を卒業した。地元で少年野球の指導者や連盟の役員として、普及・育成にも尽力している。旧保原町議(現伊達市)を2期、福島県議を3期務めた。
須田氏は宇都宮大農学部を卒業。県農林技術課長、同農村計画課長、県農林水産部次長(農村整備担当)などを歴任。出馬前は県北農林事務所長を務めるなど、農林行政のキャリアが豊富だ。長年の行政経験を生かしたいとしている。
◇仁志田 昇司(にしだ・しょうじ)氏
生年月日:1944年8月7日
出身地 :福島県保原町(現伊達市)
出身校 :東京大工学部
主な経歴 : 伊達市長(3期)、旧保原町長(2期)、JRレンタリース社長
◇橘 典雄(たちばな・のりお)氏
生年月日:1949年10月6日
出身地 :福島梁川町(現伊達市)
出身校 :福島県立保原高
主な経歴 : 伊達市議(1期)、旧梁川町議 (1期)
◇高橋 一由(たかはし・かずよし)氏
生年月日:1952年3月12日
出身地 :福島県伊達町(現伊達市)
出身校 :福島県立保原高
主な経歴 : 伊達市議(3期)、旧伊達町議(5期)
◇遠藤 保二(えんどう・やすじ)氏
生年月日:1948年3月8日
出身地 :福島県保原町(現伊達市)
出身校 :関東学院大経済学部
主な経歴 : 福島県議(3期)、旧保原町議(2期)
◇須田 博行(すだ・ひろゆき)氏
生年月日:1958年6月17日
出身地 :福島県梁川町(現伊達市)
出身校 :宇都宮大農学部
主な経歴 : 県北農林事務所長、県農林水産部次長・農林整備担当、県農村計画課長
立候補者の主な公約や主張など
▽仁志田氏
・人口減少に伴う少子高齢化の対策
・交通網の整備など市政の継続を強調
▽橘氏
・住宅建設を推進や移住・定住化を推進させ、人口減少を食い止める
・東日本大震災による放射線の影響による風評被害の回復
▽高橋氏
・震災による福島第1原発の放射線事故の被ばくによる市内の全面除染
・まちの活性化策として、大型商業施設の誘致を目指す
▽遠藤氏
・人口減少を防止するための専門部署を新設
・商業用地の開発でまちの活性化を図る
▽須田氏
・農林業を中心とした振興策と行政経験をアピール
・農林業振興とバランスのとれた各分野でのさらなる発展
選挙の争点や情勢、予想などを解説
伊達市長選の争点は、仁志田氏の多選や3期の実績の是非になる。高齢に加え、健康面の心配も出ている。市民には刷新するムーブメントも少なからず起きている。選挙戦は仁志田氏と高橋氏、しがらみのない須田氏の3人による争いになるとみられる。
2006年に誕生した同市では、最多の6人の候補が乱立している選挙戦を展開している。今回の市長選は、気象状況などで前回の59.95%の投票率よりも下がるとの見方が有力。さらに、票の分散で展開が読みづらい情勢だ。
1月28日の投票時間は7~18時(一部投票所で繰り上げ)で、19時半から「霊山体育館」で即日開票する。1月20日現在の選挙人名簿登録者数は5万3000人(男2万5759人、女2万7241人)。