前市長の金銭問題をめぐる大阪府岸和田市の出直し市長選は1月28日、告示された。投開票は2月4日。立候補者は元大阪府議で新人の永野耕平氏(39)=地域政党・大阪維新の会公認=、元市議で無所属・新人の西田武史氏(52)=前回市長選も出馬=、前市長で無所属の信貴芳則氏(56)の3人。立候補者の詳細や情勢予想などを伝える。
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岸和田市長選挙速報
永野 耕平氏△ 得票数20165 当選
西田 武史氏〇 得票数11615
信貴 芳則氏 得票数18198
※情勢予想で◎=有力、〇=やや有力、△=苦戦、無印=評価対象外
※2月4日確定=投票率31.43%
岸和田市長選は永野耕平氏が初当選した。
信貴前市長の金銭問題
信貴氏が再選した2017年11月26日の市長選の翌27日に、金銭のやりとりをめぐる問題が表面化。初当選した2013年の市長選の際に、支持者(自民党)が信貴氏から、現金200万円を受けったと発言。信貴氏は自民党の推薦が欲しく、支持者に現金を渡したことを認めた。自民党への「政治資金」と釈明したが、収支報告書に記載はなかった。
その後、岸和田市議会で信貴氏の不信任決議案が出され、採決される前に信貴氏が辞職。市民に「信を問う」として、出直し市長選となった。
立候補者のプロフィルや主な経歴など
永野氏は関西学院大法学部を卒業。大阪市立大大学院でMBAを取得している。社会福祉法人「岸和田学園」の副園長、学校法人、社会福祉法人の監事などを歴任。維新政治塾1期生として2015年の大阪府議選で初当選した。
西田氏は同志社大を卒業。民間企業などの勤務経験を経て、2011年の岸和田市議選に出馬し、2971票を獲得して5位で初当選した。その後、2期連続で務めた。副議長として議事運営の中枢したキャリアもある。
信貴氏は同志社大を卒業。大阪府議の秘書などを経て、専門学校の校長に就任。2003年の岸和田市議選に初当選し、連続3選を果たした。2013年市長選で初当選、17年に再選したが、金銭問題が浮上して辞職した。
◇永野 耕平(ながの・こうへい)氏
生年月日:1978年4月25日
出身地 :大阪府岸和田市
出身校 :関西学院大法学部
主な経歴 : 大阪府議(1期)、維新政治塾1期生
◇西田 武史(にしだ・たけし)氏
生年月日:1965年5月4日
出身地 :大阪府岸和田市
出身校 :同志社大
主な経歴 : 岸和田市議(2期)、市議会副議長、民間企業勤務
◇信貴 芳則(しぎ・よしのり)氏
生年月日:1961年2月26日
出身地 :大阪府岸和田市
出身校 :同志社大商学部
主な経歴 : 岸和田市長(2期)、岸和田市議(3期)、市議会議長
立候補表明者の主な公約や主張など
▽永野氏
・岸和田には行財政改革が必要。プランはあるが、実行力がない
・役所の職員がまちのために働いていることを楽しみながら頑張れる組織づくり
・中核市を目指し、強い権限を持ったパワフルな自治体をつくる
▽西田氏
・出直し選は税金の無駄使いで、市の財政が損なわれた
・岸和田は多額の借金で貯金もなく、市有財産の売却や有効活用で健全化を図る
・長年続く学力の低さを上げるため、小中一貫教育など教育環境を拡充する
▽信貴氏
・「政治資金」の問題は軽はずみな行動で市民に心配と迷惑をかけた
・しがらみの中にいた過去を断ち切りたい
・あらためて市政を担う資格があるのか、市民に判断をお願いしたい
選挙の争点や情勢、予想などを解説
岸和田市長選の争点は、クリーンな市政のリーダーが求められる。「政治とカネ」という悪しき習慣からの脱却に、どの候補を市民が選ぶか注目される選挙となる。
現状では岸和田市の抱える問題点にある程度、精通している西田氏が有力とみられる。前回の2017年11月26日の市長選の得票率は、西田氏が1万7745票に対し、信貴氏が3万1831票で圧勝している。前回、西田氏を推薦した自民党は、自主投票を決めている。
永野氏は大阪維新の会公認として、全面的な支援を受けて、選挙戦に臨んでいる。2013年市長選は、維新出身の候補が信貴氏に敗れているだけに、本腰を入れた組織力を見せている。西田氏と接戦を演じる可能性もはらんでいる。
2月4日の投票時間は7~20時で、21時10分から「総合体育館メインアリーナ」で即日開票する。1月27日現在の選挙人名簿登録者数は16万2886人(男7万7190人、女8万5696人)。