任期満了に伴う山口県知事選挙は1月18日、告示された。投開票は2月4日。立候補者は、同県教職員組合委員長で新人の熊野譲氏(64)=共産、社民推薦=と、再選を目指す現職の村岡嗣政氏(45)=自民、公明推薦=の2人。立候補者の詳細や情勢予想などを伝える。
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山口県知事選挙速報
熊野 譲氏△ 得票数 75207
村岡 嗣政氏◎ 得票数347762 当選
※情勢予想で◎=有力、〇=やや有力、△=苦戦、無印=評価対象外
※2月4日確定=投票率36.49%
山口県知事選は現職の村岡嗣政氏が再選した。
立候補者のプロフィルや主な経歴など
熊野氏は立命館大文学部を卒業。下関市立彦島中、同垢田中、同山の田中、同東部中などで国語教師として勤務した。1998年から2005年まで山口県教職員組合執行委員長を務めた。2014年に定年退職し、市民団体の代表などで活動している。
村岡氏は東京大経済学部を卒業。1996年4月に自治省(現総務省)に入省した。道庁、高知県庁、広島市役所への出向し、地方行政の経験も豊富。2014年1月15日付で総務省自治財政局財政企画官を退官、2月23日の知事選に初出馬して圧勝した。
◇熊野 譲(くまの・ゆずる)氏
生年月日:1953年8月2日
出身地 :山口市
出身校 :立命館大文学部
主な経歴 : 山口県教職員組合委員長、中学国語教諭
◇村岡 嗣政(むらおか・つぐまさ)氏
生年月日:1972年12月7日
出身地 :山口県宇部市
出身校 :東京大経済学部
主な経歴 : 山口県知事(1期)、総務官僚
立候補者の主な公約や主張など
▽熊野氏
・安倍政権の意向ではなく、県民の気持ちを忖度(そんたく)する県政に変える
・岩国基地移転を始めた米空母部隊の撤退
・中国電力(広島市)が計画している上関原発建設を中止させ、県民の安全を守る
▽村岡氏
・1期目の4年間で100社超の企業誘致と約3000人の雇用創出の実績
・瀬戸内海産業再生や強化、医療・環境分野の事業創出など地域産業全体の底上げ
・観光力を強化して県内の活性化、防災・減災対策の強化
選挙の争点や情勢、予想などを解説
山口県知事選の争点は、村岡県政の1期目4年間の評価になる。自民党総裁でもある安倍晋三首相の出身地ということもあり、保守王国でもある。岩口基地には、沖縄と同じく米海兵隊の基地がある。横須賀(神奈川)から空母の主力部隊の移転が進んでいる。
岩国基地の軍備の増強、中国電力が進めている上関原原発建設など、県民にとって危険性のある事業が推進・計画されている。これを問題視しているのが熊野氏だ。一方の村岡氏は自民などの推薦を得ているため、これらの問題を明らかにしていない。
現状では1期目の成果、強力な支持基盤の固さで村岡氏の再選が手堅い。ただ、知事選を通して、熊野氏が問題視する大きな問題をあらためて県民に周知することによって、危機意識や再考のきっかけにもつながる。
2月4日の投票時間は7~20時(一部投票所で繰り上げ)で、21時15分から「やまぐちリフレッシュパーク総合体育館」で即日開票する。1月17日現在の選挙人名簿登録者数は117万9481人。