任期満了に伴う熊本県水俣市長選挙は2月4日、投開票される。立候補者は、元同市議で新人の高岡利治氏(59)と、再選を目指す現職の西田弘志氏(59)の2人。現職と新人の一騎打ちの選挙戦を展開している。立候補表明者の詳細や情勢予想などを伝える。
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水俣市長選挙速報
高岡 利治氏△ 得票数7328 当選
西田 弘志氏〇 得票数6547
※情勢予想で◎=有力、〇=やや有力、△=苦戦、無印=評価対象外
※2月4日確定=投票率65.52%
水俣市長選は新人の高岡利治氏が初当選した。
立候補者のプロフィルや主な経歴など
高岡氏は日体大を卒業。高校教諭、熊本県議秘書、ホテル社員などさまざまな職業を経験している。2007年の水俣市議選に初当選後、これまで連続で3選を果たしている。市議を辞職し、今回の市長選に初出馬した。
西田氏は1976年3月に熊本県立水俣高を卒業した。1998年に水俣青年会議所理事長に就任。2003年5月に水俣市議選で初当選後、連続3期務めた。14年2月の水俣市長選挙で元職の江口隆一氏を600票差でかわして初当選を果たした。
◇高岡 利治(たかおか・としはる)氏
生年月日:1958年7月1日
出身地 :佐賀県唐津市
出身校 :日体大
主な経歴 : 水俣市議(3期)、高校教諭、会社員
◇西田 弘志(にしだ・ひろし)氏
生年月日:1958年11月2日
出身地 :熊本県水俣市
出身校 :熊本県立水俣高
主な経歴 : 水俣市長(1期)、水俣市議 (3期)
立候補者の主な公約や主張など
▽高岡氏
「水俣の人口はこの4年間で約1600人減少している。さまざまな提言を市長にしてきたが受け入れてもらえなかった」
・市政の流れを変えるため、JNC(チッソ)など地元企業と一体となった水俣づくり
・水俣病についてはチッソ側と患者側との接点をつくっていきたい
・経済の低迷からいち早く脱却をしていきたい
▽西田氏
「1期4年間で国や県とのパイプを構築でき、2期目に生かせる基盤を築いた。新しい水俣づくりを推進していきたい」
・市民協同の政治をつくるのか、企業優先の政治をつくるのかが争点
・ベンチャー企業2社を誘致するなど市民目線に立った1期目4年間の実績
・いまだ解決しない水俣病は引き続き、患者団体に積極的にアプローチしていく
選挙の争点や情勢、予想などを解説
水俣市長選の争点は、市政運営の軸足を市民に置くか、市内の3000人以上の従業員を擁する巨大企業のチッソに置くかに分かれる。もう一つのカギは政党支援で、元自民党の高岡氏は、自民党水俣支部から推薦されなかった。同支部は今回の市長選を自主投票に決めた。
同市長選では、異例の非自民対決となっている。このため、保守層の分裂が必至で西田氏にかなりの票が回ってくる可能性が高い。前回市長選では、共産系やリベラル派の土台を着実に固めた西田氏が、自民候補を振り切っているだけに、今回の市長選も再選が濃厚になっている。
2月4日の投票時間は8~20時までで、21時から即日開票する。1月27日現在の選挙人名簿登録者数は2万1506人(男万9832人、女1万1674人)。