任期満了に伴う福岡県香春(かわら)町長選は2月6日、告示された。投開票は同11日。立候補者は、いずれも無所属新人の元同町議で村上寿利(62)、藤井清孝(63)、筒井澄雄(70)=自民、公明推薦=の3氏。新人による三つどもえ戦となった。立候補者の詳細や情勢予想などを伝える。
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香春町長選挙速報
村上 寿利氏△ 得票数1902
藤井 清孝氏△ 得票数1122
筒井 澄雄氏〇 得票数2868 当選
※情勢予想で◎=有力、〇=やや有力、△=苦戦、無印=評価対象外
※投票率62.62%
立候補者のプロフィルや主な経歴など
村上氏は福岡大体育学部を卒業後、元福岡県飯塚市職員や福岡地所などに勤務した。同町移住後、2013年の香春町議選に出馬し、初当選して1期務めた。
藤井氏は町内で呉服店を経営。2005年の同町議選に出馬し、初当選して連続で2期務めた。前回14年町長選は2270票で、3251票の現職の加治忠一氏に大差で敗れた。
筒井氏は会社員経験を経て、2005年の同町議選に出馬し、初当選して連続で3期務めた。3期目に町議会議長に就任した。
◇村上 寿利(むらかみ・ひさとし)氏
生年月日:―
出身地 :福岡県香春町
出身校 :中京大大学院
主な経歴 : 香春町議(1期)、飯塚市職員
◇藤井 清孝(ふじい・きよたか)氏
生年月日:1954年2月18日
出身地 :福岡県香春町
出身校 :―
主な経歴 : 香春町議(2期)、呉服店経営
◇筒井 澄雄(つつい・すみお)氏
生年月日:1947年10月1日
出身地 :福岡県香春町
出身校 :福岡県立田川農林高
主な経歴 : 香春町議(3期)、香春町議会議長
立候補者の主な公約や主張など
▽村上氏
「定住者を増やすため、企業誘致を目指す。年間100社の企業訪問をしたい。まちをおもしくしていきたい」
・小中学校の再編は必要だが、資金が想定以上。細かく開示しながら進めたい
・観光は耕作放棄地で体験農園、空き家を宿泊施設に活用したい
▽藤井氏
「人口減少対策は、田川全体で取り組む課題。北九州や福岡の若者、高齢者に住んでもらえるちづくりが必要」
・小中学校の再編は必要であくまで子どもが主役
・自然、景観、伝統などの観光資源の創出
▽筒井氏
「現町政の学校再編の事業を引き継ぐ。農業、工業の後継者発掘を進め、活力あふれるまちにしていきたい」
・JR香春駅周辺の空き地を活用し、商工会と連携して商業を促進
・小中学校の統合を推進、中学生までの医療費の無料化
選挙の争点や情勢、予想などを解説
香春町長選の争点は、急速に進む少子高齢化による人口減少対策。町の発展に大きく関わってきた石炭やセメント産業が撤退した後、町全体が衰退していった。同町は政令市の北九州市に隣接。この位置関係を生かした活性化をはじめ、若年層らの移住・定住へ向けた魅力あるまちづくりなどをめぐって、論戦を展開している。
もう一つが学校再編の問題。町内4小学校と2中学校を1校に統合する小中一貫校の開校を2021年4月とし、1年遅らせた。熊本地震、九州豪雨、東京五輪・パラリンピックなどの建築需要の高まりを受け、人件費などが高騰したことが背景にある。当初の35億円の総事業費を数億円上回っている。町に負担のない予算配分の模索も懸案事項になっている。
情勢を予想すると、自公の推薦を受けている筒井氏が選挙戦をリードするとみられる。2月6日の告示後の第一声では、筒井陣営に引退する加藤忠一町長が応援に駆けつけた。村上、藤井各氏の追い上げも必至で、現状では明確な優劣を判断するのが非常に難しくなっている。
2月11日は投票時間が7~18時で、19時から「香春町生涯学習センター(フレッシュワークかわら)」で即日開票する。2月5日現在の選挙人名簿登録者数は9651人。