任期満了に伴う鳥取県若桜(わかさ)町長選は2月6日、告示された。投開票は同11日。立候補者はともに無所属新人で、元同町議の上川裕見子氏(59)、元同町総務課長の矢部康樹氏(56)=自民推薦=の2人。現職の小林昌司氏(72)=3期=は引退する。立候補者の詳細や情勢予想などを伝える。
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若桜町長選挙速報
上川 裕見子氏△ 得票数 891
矢部 康樹氏〇 得票数1447 当選
※情勢予想で◎=有力、〇=やや有力、△=苦戦、無印=評価対象外
※投票率79.27%
立候補者のプロフィルや主な経歴など
▽上川氏
鳥取県立八頭高を卒業。金融機関での勤務経験がある。2002年に若桜町議選に出馬し、初当選を果たして4期16年務めた。前回14年の同町議選では得票数354でトップ当選を果たしている。NPO法人理事も務めている。
▽矢部氏
愛知学院大を卒業。1987年に若桜町役場に採用された。町民福祉課長、ふるさと創生課長、総務課長などの主要部署を歴任。町内の行政のスペシャリストとして、町の課題や現状などを熟知している。
◇上川 裕見子(かみかわ・ゆみこ)氏
生年月日:1958年4月2日
出身地 :鳥取県若桜町
出身校 :鳥取県立八頭高
主な経歴 : 若桜町議(4期)、NPO法人理事
◇矢部 康樹(やべ・やすき)氏
生年月日:―
出身地 :鳥取県若桜町
出身校 :愛知学院大
主な経歴 : 若桜町町民福祉課長、ふるさと創生課長、総務課長
立候補者の主な公約や主張など
▽上川氏
「1人の百歩より、100人の一歩が大切で、皆さんと一緒になってまちづくりをしたい。透明性、信頼性のある政治を目指していく」(2月6日の第一声)
・深刻な少子高齢化対策、子育て支援の拡充
・産業の活性化、観光振興を推進させ、経済の地域内循環の仕組みづくり
▽矢部氏
「町職員としての経験を生かしたい。町政運営に人生を懸け、町長になって誠心誠意頑張りたい。幸せを感じられるまちづくりを目指す」(2月6日の第一声)
・人口減少対策として移住や定住に向け、若年層定着の支援
・高齢者の健康促進、観光振興によるまちの活性化策を推進
選挙の争点や情勢、予想などを解説
若桜町長選の争点は、歯止めのきかない少子高齢化対策、まちの活性化に向けた施策になる。町内の総人口に対し、65歳以上の高齢者の割合を示す高齢化率は46%超。県内でトップクラスになっている。このため、若年層を含む生産人口の増加が、まちを活性化させるポイントになる。
選挙戦の情勢予想は、矢部氏が優勢だ。自民の推薦により、町内の保守層の票固めに着手。2月6日の出陣式では、地元選出の県議、東部4町の首長らが応援に駆け付けた。矢部氏は現職の小林氏の町政継続を明かし、事実上の後継指名を受けている。
上川氏は、前回2014年町議選でトップ当選し、町内の知名度がある。前回の町議選では唯一の女性町議として、細やかな町政への道づくりを行い、一定の評価がある。矢部氏との接戦になる可能性も想定される。
2月11日の投票時間は7~19時で、19時50分から「第1町民体育館」で即日開票する。2月5日現在の選挙人名簿登録者数は3026人(男1416人、女1610人)。2014年の町長選は無投票だった。