平昌五輪女子スピードスケートチームパシュート(団体追い抜き)準々決勝が、2月19日20時から行われる。注目は高木菜那(25=日本電産サンキョー-帯広南商高)と美帆(23=日体大助手、日体大-帯広南商高)だ。五輪の冬季個人競技では、兄弟・姉妹による同一大会・同一種目で初の金メダリストになる可能性が高い。
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チームパシュートでは、日本のスピードスケート女子史上初の金メダルの可能性もある。高木姉妹が金メダルを獲得すると、もう一つ、日本の夏季大会も含めた初の姉妹金メダリストの誕生にもなる。日本中がその瞬間に注目している。
もちろん、勝算はある。今季の日本女子のチームパシュートは快進撃が続いている。2017年の12月8日のワールドカップ(W杯)第4戦(米国・ソルトレークシティー)では、高木姉妹を擁する日本女子が、3度目の世界新を更新して優勝。出場した3大会で全て世界新をマークして優勝している。
【今季のW杯日本女子チームパシュート成績】
2017年11月10日第1戦(オランダ)=2分55秒77
2017年12月2日第3戦(カナダ)=2分53秒88
2017年12月9日第4戦(米国)=2分50秒87
今五輪では高木美が1000mで銀、1500mで銅メダルを獲得し、3000mで5位入賞している。姉の高木菜は2月16日の5000mで12位、24日にマススタートに出場する。疲労はピークになるが、日本女子のチームパシュートの金メダルが手堅いと世界各国で予想している。
夏季五輪では過去、個人種目で兄弟・姉妹による金メダリストが誕生している。主なメダリストは次の通り。
▽2008年北京五輪で金メダルを獲得した兄弟・姉妹
・ボード女子ダブルスカルでエバース姉妹(ニュージーランド)
・カヌーのスラローム男子カナディアンペアでホフショネル兄弟(スロバキア)
▽2012年ロンドン五輪で金メダルを獲得した兄弟
・テニス男子ダブルスでブライアン兄弟(米国)
妹の陰に隠れ、あまり存在感のなかった高木菜だが、実はチームパシュートのカギを握る選手でもある。3人1組でリンクを6周してタイムを争い、最後にゴールした選手のタイムで優劣が決まる。
先頭の選手が入れ替わりながら、巧みなペース配分と戦術や駆け引き必要だ。チームを統制するのは高木菜で、妹とのコンビネーションは言うまでもない。チームの司令塔として、日本女子スピードスケートを五輪前人未到の表彰台の頂へけん引する。