任期満了に伴う石川県知事選挙は2月22日、告示された。投開票は3月11日。立候補者はいずれも無所属で、新人で団体役員の小倉恵美氏(65)=共産推薦=と、現職最多の7選を目指す谷本正憲氏(72)=自民、公明、民進、社民、連合石川推薦=の2人。立候補者の詳細や情勢予想などを伝える。
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小倉 恵美氏 得票数 72414
谷本 正憲氏◎ 得票数288531 当選
※情勢予想で◎=有力、〇=やや有力、△=やや苦戦、無印=評価対象外
※投票率39.07%
谷本氏が小倉氏を破り、現職最多の7選を果たした。
石川県知事選の争点は、現職の谷本氏の6期24年にわたる県政の評価。志賀町の北陸電力志賀原発の再稼働の是非もポイントになる。北陸新幹線「金沢駅」開業による継続的な県内の観光振興、県内産業が深刻な人手不足に陥っている人口減少対策なども重要だ。
谷本氏の後援会では2012年、飲食店の一部で割引特典が受けられる入会特典が問題視された。17年には北朝鮮が原発攻撃するなら「北朝鮮国民を餓死させないといけない」という問題発言が取り上げられた。ただ、知事選ではこれまで、有力な対抗馬が出ていないのが実情。情勢予想では谷本氏の7選が手堅い。
3月11日の投票時間は7~20時(一部投票所で繰り上げ)で、即日開票する。2月21日現在の選挙人名簿登録者数は95万9168人(男45万9385人、女49万9783人)。
▽期日前投票
期間:2月23日~3月10日
時間:8時半~20時(一部で変更あり)
投票所:各市役所、町村役場など
◇小倉 恵美(こくら・えみ)氏
生年月日:1952年3月15日
出身地 :岐阜県古川町(現飛騨市)
出身校 :金沢大医学部付属衛生検査技師学校
主な経歴 : 石川県労連議長、県母親大会連絡会事務局長、反原発団体委員
1972年に金沢大医学部付属衛生検査技師学校を卒業。県済生会金沢病院で臨床検査技師として就職した。県労連議長、県母親大会連絡協議会事務局長、原発を考える石川女性の会代表委員、石川労働相談センター場を務めている。
◇谷本 正憲(たにもと・まさのり)氏
生年月日:1945年4月16日
出身地 :兵庫県西脇市
出身校 :京都大法学部
主な経歴 : 石川県知事(6期)、同副知事、旧自治官僚
京都大法学部を卒業後、1968年4月に旧自治省(現総務省)に入省。91年石川県副知事として出向。94年中西陽一知事の死去に伴い、自民以外の5党の推薦を得て初当選した。98年の再選後は自民など主要政党の推薦を得ている。
▽小倉氏
「多選による弊害が至るところに出ている。県政のゆがみがひどくなり、税金の使途は大型公共工事が中心。県民の命と暮らしを守る県政に変える」(2月22日の第一声)
・現県政の「知事と議会の癒着」「利益団体との癒着」から根絶
・北陸電力志賀原発の廃炉
・県民の声に耳を傾けない現県政からの刷新
▽谷本氏
「北陸新幹線開業の勢いを持続させ、さらに拡大させていきたい。石川県を日本海側のトップランナーに押し上げ原動力になる可能性を秘めている」(2月22日の第一声)
・新県立中央病院で高度専門医療の提供、ドクターヘリの導入
・東京国立近代美術館工芸館の移転、県立図書館や金沢城などの整備
・北陸新幹線開業による持続的な発展、大型クルーズ船寄港に向けた港湾整備
▽2014年3月16日=投票率44.98%
谷本 正憲氏 得票数420135 当選
川 裕一郎氏 得票数 94212
木村 吉伸氏 得票数 34464
谷本氏は圧勝で6選を果たした。民主党の川氏は、6選を目指す谷本氏の党の推薦に反発して離党。木村氏は共産党の推薦を得て出馬した。