任期満了に伴う福岡県嘉麻市長選挙は4月8日、告示された。投開票は同15日。立候補者はいずれも無所属で、新人で前同市議会議長の宮原由光氏(70)と、再選を目指す現職の赤間幸弘氏(55)=自民、公明推薦=の2人。現職と新人の一騎打ちとなった。嘉麻市長選挙の立候補者の公約や経歴、情勢予想、投票・開票速報を伝える。
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宮原 由光氏△ 得票数 4883
赤間 幸弘氏〇 得票数11094 当選
※◎=確実 〇=有力 △=善戦 無印=対象外
嘉麻市長選は、現職の赤間氏が元市議会議長の宮原氏を破り、再選を決めた。
【候補者のスコアリング】
▽宮原氏
①公約や主張=3
②経歴=3
③支持基盤3
=合計9ポイント
▽赤間氏
①公約や主張=3
②経歴=3
③支持基盤=4
=合計10ポイント
※候補者のスコアリングは5段階評価で当サイト独自調査による
4月15日の投票時間は7~20時で、市内18カ所の投票所で行い、21時20分から「嘉麻市碓井住民センター大ホール」で即日開票する。4月7日現在の選挙人名簿登録者数は3万3426人(男1万5314人、女1万8112人)。任期満了日は4月22日。
▽期日前投票
期間:4月9日~14日
時間:8時半~20時
投票所:4カ所
・嘉麻市碓井住民センター 大ホール
・嘉麻市役所山田庁舎1階 第1会議室
・嘉麻市稲築母子健康センター1階
・嘉麻市役所嘉穂庁舎1階 相談室1
▽嘉麻市メモ
位置:福岡県の筑豊地方南部
面積:135.11㎢
隣接:飯塚市、田川市、朝倉市、添田町
人口:3万8913人(2018年3月末現在)
観光地:「梅林公園」は毎年2月中旬から3月中旬にかけて約400本の梅の木に花が咲き園内には甘い梅の香りが立ち込める
名産品:嘉麻の釜めしの素、地酒、りんご、なし
有名人:加藤一二三(将棋棋士、元名人)、瀬戸康史(俳優)、つかこうへい(劇作家)
嘉麻市長選の争点は、新庁舎の建設資材の高騰をめぐる建設費の見直し。九州各地で頻発した震災、2020年東京五輪の影響で資材が高騰している。
宮原氏は工事契約の破棄を含む見直しを主張している。赤間氏は合併特例債の財源で、市の負担が13億5000万円とし、4庁舎を20年維持すると耐震工事、補修で140億円かかると反論している。
まちを取り巻く問題が県内28市の中で最も高い65歳以上が占める高齢化率だ。嘉麻市は2006年に山田市、碓井、稲築、嘉穂3町が合併して誕生したが、合併時から約7000人も人口が減少し、現在3万9000人弱だ。
高齢化問題に両氏がどのようなアプローチで対策を講じるのか、市民の関心が高まっている。
情勢を予想すると、赤間氏が再選に向けて優勢かと思われる。年齢的に若く長期的なプロジェクトに対し、遂行能力の点からいえば分がある。
自民、公明などの政党推薦も得ており、保守層が多い嘉麻市とあって、現職に追い風が吹きそうだ。
◇宮原 由光(みやはら・よしみつ)氏
生年月日:1948年1月3日
出身地 :福岡県嘉麻市
出身校 :福岡県立田川農林高
主な経歴:嘉麻市議(3期)、市議会議長、旧山市議(2期)
福岡県立田川農林高を卒業。合併前の旧山田市議を2期務め、2006年に1市3町によって合併して誕生した嘉麻市議に初当選し、連続3選を果たした。15年5月の嘉麻市議会臨時会では議長に就任した。
◇赤間 幸弘(あかま・ゆきひろ)氏
生年月日:1962年12月1日
出身地 :福岡県山田市(現嘉麻市)
出身校 :久留米工大工学部
主な経歴 : 嘉麻市長(1期)、嘉麻市議(1期)、旧山田市議(1期)
1985年に久留米工大工学部を卒業。同年に旧山田市役所に臨時職員として採用される。01年に山田市議選で初当選、06年の合併後の嘉麻市議に就任し、10年の嘉麻市長選で落選した後、14年に無投票で初当選した。
▽宮原氏
「市民は今の市政から大きな距離感を感じている。市民の声を届け、市と市民が一緒にまちづくりをしていきたい」
・青少年の育成、高齢者や障害者支援の充実
・農林業の推進、教育や文化の振興
・住環境の整備、商店街の活性化で過疎化を食い止める
・建築資材が高騰し、建設費が上がる新庁舎建設の見直し
▽赤間氏
「行財政改革をしっかり行いたい。学力の向上、子育て支援もさらに強化させる。雇用拡大や産業振興にも力を入れる」
・安定した雇用の創出
・住みたいまちづくりを推進
・結婚、出産、子育てなどの支援
・買い物弱者、高齢者を支援し、人口減少に対応した持続可能なまちづくり
前回の嘉麻市長選は2014年4月6日に告示され、赤間氏以外に立候補の届け出がなく、無投票で初当選が決まった。