任期満了に伴う岩手県岩手町長選挙は5月15日、告示された。投開票は同20日。立候補者はいずれも無所属で、6選を目指す現職の民部田幾夫氏(64)、元同町健康福祉課長で新人の佐々木光司氏(58)の2人。選挙戦は2002年以来、16年ぶりとなった。岩手町長選挙の立候補者の公約や政策、経歴、情勢予想、投票・開票の結果速報を伝える。
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目次
岩手町長選挙速報
民部田 幾夫氏△ 得票数3618
佐々木 光司氏〇 得票数4280 当選
※◎=確実 〇=有力 △=善戦 無印=対象外
※投票率67.71%
岩手町長選は、新人の佐々木氏が現職の民部田氏を破り、初当選した。
【候補者のスコアリング】(P=ポイント)
▽民部田 幾夫氏
①公約や主張=2
②経歴=4
③支持基盤=2.5
=合計8.5P
▽佐々木 光司氏
①公約や主張=3.5
②経歴=3
③支持基盤=2.5
=合計9.0P
※候補者のスコアリングは5 段階評価で15点満点
※「11P~=◎」「 9P~=〇」「 7P~=△」
※採点は当サイト独自調査による
有権者や投票、岩手町の詳細
5月20日の投票時間は7~18時で、町内21カ所の投票所で行い、19時から「岩手町総合開発センター(岩手町役場隣)」で即日開票する。大勢判明は20時半ごろの見通し。5月14日現在の選挙人名簿登録者数は1万1761人(男5693人、女6068人)。任期満了日は5月31日。
▽期日前投票
期間:5月16日~19日
時間:8時半~20時
投票所:岩手町役場1階(談話室)
岩手町の町制施行は1955年7月。沼宮内町、御堂村、一方井村、川口村の1町3村が合併し、「岩手町」が誕生した。岩手町は全国で唯一の「岩手県岩手郡岩手町」と、同じ自治体名称の「岩手」が3つ続く。
1970年の岩手国体で陸上ホッケーの会場になり、これを機にホッケーを町技として普及させた。小中高、社会人チームの全国制覇も数多く、五輪選手も輩出している。夜間照明付きの人工芝グラウンドを完備している。
農業ではキャベツやレタスの栽培が盛んで、県内有数の一大産地になっている。キャベツとブルーベリーは、町のキャラクターになっているほどだ。
▽岩手町メモ
位置 | 岩手県中部から北部 |
面積 | 360.46㎢ |
隣接 | 盛岡市、八幡平市、一戸町、葛巻町 |
人口 | 1万3608人(2018年4月末現在) |
観光地 | 「御堂新田の滝」は高さ8m・幅10mの規模の斜滝で、別名「玉吹きの滝」とも呼ばれ、大きな岩盤から玉のように3筋に水が流れ落ちる様子は、優雅な趣がある。「石神の丘美術館」の彫刻なども有名 |
名産品 | 岩手めんこい黒牛、いわて春みどり(キャベツ)、ブルーベリー |
有名人 | 日蔭温子(元女子プロゴルファー)、板垣征四郎(大日本帝国陸軍大将、第46・47代陸軍大臣)、千葉星子(タレント、ファッションモデル、料理研究家) |
岩手町長選挙の争点や情勢、予想を解説
岩手町長選の争点は、5期20年の町政運営をしてきた現職の民部田氏の評価。選挙戦は、3期連続で無投票当選だった町長選に、新人の佐々木氏が新風を吹かせて刷新を目指す構図になる。
岩手町を取り巻く課題や問題点は数多い。少子高齢化が加速する中、町内の活性化策も大きなポイントだ。町の基幹産業である農畜産業の活性化や担い手不足の解消策も重要な施策。若年層の定住・移住に向けた雇用促進なども課題に挙げられる。
岩手町長選は3期連続で無風だったが、現町政を刷新する動きが役場の内外から出てくるようになった。町内の若手企業家、町民有志ら草の根的な活動が2017年末から顕著になっている。
情勢を予想すると、接戦になる可能性も高まっている。民部田氏の支持基盤も盤石とはいえず、刷新を求める佐々木氏の支持者も決して少なくない。佐々木氏の政策や公約に共感する支持者も増え、浸透力が高まっている。
候補者のプロフィルや主な経歴など
民部田 幾夫(みんぶた・いくお)氏
生年月日:1953年8月14日
出身地 :岩手県岩手町
出身校 :亜大法学部
主な経歴 : 岩手町長(5期)、衆院議員秘書
亜大法学部を卒業。衆院議員秘書などを経て、1998年の岩手町長選で初当選した。2002年の選挙戦で再選。06年、10年、14年と3選連続で無投票当選している。岩手県ホッケー協会会長などの要職も務めている。
佐々木 光司(ささき・こうじ)氏
生年月日:1959年8月2日
出身地 :岩手県岩手町
出身校 :慶大文学部
主な経歴 : 佐々木石材工業社長、岩手町企画商工課長、健康福祉課長
1983年3月に慶大文学部を卒業後、同年4月に岩手町に採用される。2011年に企画商工課長、15年に健康福祉課長などの要職を歴任。17年3月に同町を退職し、家業の佐々木石材工業に入社し、社長に就任した。
候補者の主な公約や主張など
▽民部田 幾夫氏
・子育て世帯への経済的支援、新たな保育サービスの充実
・町民主体のまちづくり体制の確立
・農商工連携と6次産業化の推進、雇用機会の増大と担い手育成
・医療や保健体制、介護や高齢者福祉の充実
・学校や社会教育、生涯スポーツの普及と充実
▽佐々木 光司氏
・公約「5つの10」の一環として、町長給与の10%カット
・同公約の一環として、来町者を10倍、ふるさと納税を10倍
・通信インフラ(光ファイバー網)の整備
・まちづくり企画会社(仮称)の設立
・岩手町型在宅医療態勢づくり、人口減少対策プロジェクト
前回2014年の岩手町長選の状況
前回の岩手町長選は2014年5月20日に告示され、民部田氏以外に立候補の届け出がなく、無投票で5選が決まった。