任期満了に伴う京都府福知山市長選挙は6月7日、告示された。投開票は同14日。立候補を届け出たのはいずれも無所属で、再選を目指す現職に3新人が臨む、過去最多に並ぶ4人が立候補した。福知山市長選の立候補者の公約や政策、経歴、情勢予想、投票・開票の結果速報を伝える。
【立候補者】
・奥井 正美氏(66)=福知山地方労働組合協議会議長(共産推薦)
・嵳峩 賢次氏(65)=元副市長
・小瀧 真里氏(60)=元小学校長
・大橋 一夫氏(66)=現職(自民、公明推薦)

福知山城天守
目次
福知山市長選2020の開票速報・投票率速報・当選予想
奥井 正美氏 得票数 3076
嵳峩 賢次氏△ 得票数 7230
小瀧 真里氏 得票数 6977
大橋 一夫氏〇 得票率13754 当選
※◎=確実 〇=有力 △=善戦 無印=対象外
※投票率49.80%
福知山市長選は、現職の大橋一夫氏が新人の4氏を破り、再選を果たした。
【前回2016年福知山市長選の状況】
▽6月12日執行=投票率54.72%
大橋 一夫氏(62)=新 得票数21493 当選
松山 正治氏(78)=現 得票数11962
※年齢は当時
【候補者のスコアリング】(=ポイント)
▽奥井 正美氏
①公約や主張=2
②経歴=2
③支持基盤=2.5
=合計6.5P
▽嵳峩 賢次氏
①公約や主張=3
②経歴=2.5
③支持基盤=2.5
=合計8.0P
▽小瀧 真里氏
①公約や主張=3
②経歴=2
③支持基盤=1.5
=合計6.5P
▽大橋 一夫氏
①公約や主張=3
②経歴=3
③支持基盤=3
=合計9.0P
※候補者のスコアリングは5段階評価で15点満点
※「11P~=◎」「9P~=〇」「7P~=△」「6.5以下=対象外」
※採点は当サイト独自調査による
福知山市長選挙2020の有権者や投票、福知山市の詳細
6月14日の投票は、7~20時(一部投票所で繰り上げ)に福知山市内82カ所の投票所で行い、21時20分から「三段池公園総合体育館」で即日開票する。6月6日現在の選挙人名簿登録者(有権者)数は6万4157人(男3万1477人、女3万21680人)。
▽福知山市長選に投票できる人
- 日本国籍を有している人
- 2002年6月15日以前に生まれた人
- 2020年3月6日以前に福知山市へ転入届を出し、引き続き住所を有する人
▽福知山市長選挙の期日前投票
期 間:6月8日~13日
時 間:8時半~20時
投票所:4カ所
- 福知山市役所1階ロビー
- 三和支所
- 夜久野支所
- 大江支所
▽福知山市メモ
位置 | 京都府の北部で中丹地方にある |
面積 | 552.54㎢ |
隣接 | 舞鶴、綾部、宮津各市、京丹波、与謝野両町/兵庫県丹波、豊岡、朝来、丹波篠山各市 |
人口 | 7万7271人(2020年5月末現在) |
市長報酬 | (月額)93万5000円 |
観光地 | 旧夜久野町役場、福知山城、長安寺、日本の鬼の交流博物館 |
名産品 | 踊りせんべい、里柿、鉄砲漬け、松茸昆布、鬼饅頭、やぎのたまご |
有名人 | 千原せいじ・ジュニア(お笑い芸人の兄弟)、小橋建太(プロレスラー) |
福知山市長選2020の立候補者のプロフィールや主な経歴
◇奥井 正美(おくい・まさみ)氏
生年月日:1954年1月26日
出身地 :京都府福知山市
出身校 :京都府立水産高(現海洋高)
主な経歴:福知山地方労働組合協議会議長
京都府立水産高を卒業。丹後民主商工会、京都生活協同組合中丹支部などで勤務した。2000年から福知山地労協で議長を務めてきた。京都労働組合総評議会副議長なども務めている。
◇嵳峩 賢次(さが・けんじ)氏
生年月日:1954年11月29日
出身地 :京都府福知山市
出身校 :和光大
主な経歴:福知山副市長、福知山市長室長
和光大を卒業後、旧大江町(現福知山市)に採用された。2006年に1市3町による合併で福知山市が誕生後、市民課長、秘書広報課長、市民公室長などを歴任。副市長を最後に退任した
◇小瀧 真里(こたき・まり)氏
生年月日:1959年10月19日
出身地 :京都府福知山市
出身校 :京都女子大
主な経歴:福知山昭和小校長、福知山夜久野小中学校教頭
京都女子大を卒業した。教員免許を取得し、綾部小をはじめ、福知山市内の小中学校で教員を務めた。福知山夜久野小中学校教頭、福知山昭和小校長を最後に退任し、福知山市長選に出馬した。
◇大橋 一夫(おおはし・かずお)氏
生年月日:1954年1月25日
出身地 :京都府福知山市
出身校 :立命館大法学部
主な経歴:福知山市長(1期)、京都府議(3期)
1976年に立命館大を卒業後、80年に裁判所職員に採用される。2007年の京都府議選では無所属で初当選し、11年と15年に民主党の推薦を受けて当選した。16年の福知山市長選で現職を破り、初当選した。
福知山市長選挙2020の立候補者の主な公約・政策、主張
▽奥井 正美氏
【政策・公約】
- 不要不急の事業をストップし、新型コロナウイルスの予算を確保する
- 新型コロナウイルス感染症対策交付金の有効活用
- 中学卒業までの医療費を1医療機関で1カ月200円に
- 市街化調整区域を見直し、地域振興を推進
- 市民病院の大江分院を拡充
▽嵳峩 賢次氏
【政策・公約】
- 水害などの災害時の避難経路の見直し
- 高齢者に適応させるなど、避難所の機能強化
- 職員の働き方改革で超過勤務を削減
- 高齢化社会に対応した外国人を含めた介護の人材の育成
- 中小企業のサポート事業の推進
▽小瀧 真里氏
【政策・公約】
- 小中学校のICT(情報通信技術)のインフラ整備
- 新型コロナ対策として、市内業者でマスク製造をして必要量を確保
- 市民病院の新型コロナ対策機能の強化
- 三段池スポーツパーク構想
- 1期4年間で1500万円の市長退職金の廃止
▽大橋 一夫氏
【政策・公約】
- 新型コロナウイルス感染症に対する独自の支援策を拡充させる
- 小中学生に1人1台のタブレット端末を整備
- 市民病院大江分院で遠隔医療の実証実験を始める
- 文化ホールやスポーツ施設の整備に着手
- 市立中学生の短期海外留学を支援
福知山市長選2020の争点や情勢、予想を解説
福知山市長選の争点は、新型コロナウイルス感染症対策、水害対応による地域経済の再建など。市の構造的な問題でもある高齢化による人口減少対策も、まちの活性化に向けた急務の課題となっている。1期4年間の大橋一夫氏の市政評価もポイントだ。
2020年2月に大橋一夫氏の後援団体が、福知山市の支援者に対して16~18年に飲食を伴う会合の費用の一部を負担していたと報じられた。負担した費用は140万円近くになり、公職選挙法(利益供与)に抵触する可能性があると指摘している。これが、今回の選挙戦にどのような影響を与えるのかも注目される。
前回2016年福知山市長選は、政党支援を受けなかった大橋氏が、自民と公明の推薦、民進党の支持を受けた現職を大差で下して初当選した。今回の市長選では、自民と公明、連合京都の推薦を受け、大橋氏が再選を目指す。
これに対抗する形が嵳峩賢次氏だ。前回の市長選で現職の敗北が決まると、嵳峩氏も副市長を辞任した。前回市長選で敗れた前市長の陣営が嵳峩氏を支援する。政党からの支援を受けず、JAグループ京都を中心とした政治団体も支援する。事実上の大橋氏と嵳峩氏の一騎打ちとなる。
情勢を予想すると、現職の大橋氏が有利な展開かと思われる。福知山市議の過半数以上が現職の大橋氏の支援に回っている。財政健全化に向け、補助金のカットで離れた団体もあるが、選挙戦は限定的という見方が大勢を占める。
奥井正美、小瀧真里両氏は、組織票の獲得が難しい。小規模団体や浮動票、若年層をいかに取り込めるかが、選挙戦の大きな要素になる。
福知山市長選以外の2020年6月14日執行の注目選挙
当サイトでは福知山市長選以外にも、6月14日執行のその他の注目選挙も掲載している。