任期満了に伴う静岡県下田市長選挙は6月14日、告示された。投開票は同21日。立候補を届け出たのはともに無所属で、再選を目指す現職の福井祐輔氏(72)、新人で元下田土木事務所長の松木正一郎氏(59)の2人。下田市長選の立候補者の公約や政策、経歴、情勢予想、投票・開票の結果速報を伝える。
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下田の美しい海岸
目次
下田市長選2020の開票速報・投票率速報・当選予想
福井 祐輔氏△ 得票数3705
松木 正一郎氏〇 得票数8808 当選
※◎=確実 〇=有力 △=善戦 無印=対象外
※投票率68.65%=確定
下田市長選は、新人の松木正一郎氏が現職の福井祐輔氏を大差で破り、初当選を果たした。
【前回2016年下田市長選の状況】
▽6月12日執行=投票率67.45%
福井 祐輔氏(68)=新 得票数8327 当選
楠山 俊介氏(62)=現 得票数4638
※年齢は当時
【候補者のスコアリング】(=ポイント)
▽福井 祐輔氏
①公約や主張=3
②経歴=3
③支持基盤=2.5
=合計8.5P
▽松木 正一郎氏
①公約や主張=3
②経歴=2.5
③支持基盤=3.5
=合計9.0P
※候補者のスコアリングは5段階評価で15点満点
※「11P~=◎」「9P~=〇」「7P~=△」「6.5以下=対象外」
※採点は当サイト独自調査による
下田市長選挙2020の有権者や投票、下田市の詳細
6月21日の投票は、7~20時に下田市内21カ所の投票所で行い、21時から「市立下田小」で即日開票する。6月13日現在の選挙人名簿登録者(有権者)数は1万8720人(男8981人、女9739人)。
▽下田市長選に投票できる人
- 日本国籍を有している人
- 2002年6月22日以前に生まれた人
- 2020年3月13日以前に下田市へ転入届を出し、引き続き住所を有する人
▽下田市長選の期日前投票
期 間:6月15日~20日
時 間:8時半~20時
投票所:下田市役所別館検診室
▽下田市メモ
位置 | 静岡県の伊豆半島南部にある |
面積 | 104.38㎢ |
隣接 | 伊豆、河津、松崎各町 |
人口 | 2万1046人(2020年6月1日現在) |
市長報酬 | (月額)67万1000円 |
観光地 | 下田海中水族館、下田温泉、白浜海岸(海水浴、サーフィン)、須崎御用邸 |
名産品 | キンメダイ、伊勢エビ、干物、わさび |
有名人 | 栗原はるみ(料理研究家)、鈴木由美子(漫画家) |
下田市長選2020の立候補者のプロフィールや主な経歴
◇福井 祐輔(ふくい・ゆうすけ)氏
生年月日:1947年11月9日
出身地 :高知県土佐清水市
出身校 :防大
主な経歴:下田市長(1期)、防大教授、陸上自衛隊幕僚
1967年に防大に入学。陸上自衛隊幕僚、防大教授などを経て2003年に退官した。2016年の下田市長選では、市庁舎移転計画に反対する市民団体などの支援を受けて立候補し、現職を大差で破って初当選した。
◇松木 正一郎(まつき・しょういちろう)氏
生年月日:1960年
出身地 :静岡県下田市
出身校 :早大
主な経歴:静岡県職員、建設会社
早大を卒業。民間の建設会社勤務を経て、全国各地で勤務経験がある。まちづくりに関する行政に長年携わってきた。1989年に静岡県に採用され、県下田土木事務所長を最後に出馬に備えた退職した。
下田市長選挙2020の立候補者の主な公約・政策、主張
▽福井 祐輔氏
【政策・公約】
- 新型コロナ対策として、国の交付金などで誘客や支援策を拡充
- 観光業を主体とする経済の活性化や人口減少対策
- 市役所新庁舎の建設と中学校の統合を推進
- 中学校統合後の跡地の有効活用
- 防災対策の推進
▽松木 正一郎氏
【政策・公約】
- 宿泊予約フォームに新型コロナの項目を設け、安全性を証明する仕組みづくり
- 伊豆縦貫自動車道を活用したまちの活性化
- 県や国とのパイプを活用し、下田を活性化させる
- 新型コロナ禍からの回復に向け、市民、行政、企業がしっかり対話して連携する
- 市役所の組織横断型の「プロジェクトチーム」を立ち上げ、新たな取り組みに挑戦
下田市長選2020の争点や情勢、予想を解説
下田市長選の争点は、新型コロナウイルス感染症の拡大で、落ち込んだ経済の立直しが中心となる。特に主要産業の観光業の落ち込みが大きく、これに伴って飲食業や小売業なども連鎖的な低迷にあえいでいる。地元の伊豆石、なまこ壁などの情緒ある家並みが連なる「ペリーロード」は、集客に大きな力を発揮していた。
2019年には台風の影響で、復興費用も甚大になった。市の貯金に相当する財政調整基金は、2億4000万円ほど。新型コロナウイルス感染症による市内事業者への休業要請に伴う協力金などで、約1億円を支出している。
下田商工会議所が考案したゆるキャラ「べるりん」と、現職の福井祐輔氏の対立が激化している。前回2016年の下田市長選では新人の福井氏と対立する現職候補を支援したのが商工会議所だった。当選した福井氏は、自身が出席する行事に「べるりん」の参加を認めないような発言をし、物議を醸している。
黒船来港を記念した下田で最大の祭典「黒船祭」の開催に関し、2020年は例年の5月から11月へ移行を目指したが、調整不足に終わった。この際、19年11月に福井氏が面会した商工団体関係者に暴言を浴びせたことが、20年3月の市議会定例会で指摘されている。20年の黒船祭は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になった。
情勢を予想すると、現職の福井氏の市政運営に一定数の有権者が疑義を持っており、苦戦も予想される。このため、地元の経済団体では、松木正一郎氏を推す声も高まっている。選挙戦は白熱した展開になりそうだ。
下田市長選以外の2020年6月21日執行の注目選挙
当サイトでは下田市長選以外にも、6月21日執行のその他の注目選挙も掲載している。