任期満了に伴う大阪府羽曳野(はびきの)市長選挙は7月5日、告示された。投開票は同12日。立候補を届け出たのは次の5人。無所属現職で5選を目指す北川嗣雄氏(77)、無所属新人で元羽曳野市議の松村尚子氏(50)、無所属新人で元羽曳野市議の嶋田丘氏(72)=共産推薦=、大阪維新の会の新人で元大阪府議の山入端創氏(39)、無所属新人で元羽曳野市議の田仲基一氏(55)。羽曳野市長選挙の立候補者の公約や政策、経歴、情勢予想、投票・開票の結果速報を伝える。
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世界文化遺産の百舌鳥・古市古墳群
目次
羽曳野市長選2020の開票速報・投票率速報・当選予想
北川 嗣雄氏△ 得票数13345
松村 尚子氏△ 得票数 5934
嶋田 丘氏 得票数 3465
山入端 創氏 得票数16958 当選
田仲 基一氏〇 得票数 6330
※◎=確実 〇=有力 △=善戦 無印=対象外
※投票率50.27%=確定
羽曳野市長選は、新人の山入端創氏が現職の北川嗣雄氏ら4氏を破り、初当選を果たした。
【前回2016年羽曳野市長選の状況】
▽7月10日執行=投票率54.71%
北川 嗣雄氏(73)=現 得票数33629 当選
笹井 喜世子氏(64)=新 得票数16151
※年齢は当時
【候補者のスコアリング】(=ポイント)
▽北川 嗣雄氏
①公約や主張=2.5
②経歴=3.5
③支持基盤=2
=合計8.0P
▽松村 尚子氏
①公約や主張=3
②経歴=2.5
③支持基盤=3
=合計8.5P
▽嶋田 丘氏
①公約や主張=1.5
②経歴=2.5
③支持基盤=2
=合計6.0P
▽山入端 創氏
①公約や主張=2.5
②経歴=2.5
③支持基盤=1.5
=合計6.5P
▽田仲 基一氏
①公約や主張=3
②経歴=2.5
③支持基盤=3.5
=合計9.0P
※候補者のスコアリングは5段階評価で15点満点
※「11P~=◎」「9P~=〇」「7P~=△」「6.5P以下=対象外」
※採点は当サイト独自調査による
羽曳野市長選挙2020の有権者や投票、羽曳野市の詳細
7月12日の投票は、7~20時に羽曳野市内37カ所の投票所で行い、21時15分から「羽曳野市立総合スポーツセンター(はびきのコロセアム)」で即日開票する。7月4日現在の選挙人名簿登録者(有権者)数は9万3923人。
▽羽曳野市長選に投票できる人
- 日本国籍を有している人
- 2002年7月13日以前に生まれた人
- 2020年4月4日以前に羽曳野市へ転入届を出し、引き続き住所を有する人
▽羽曳野市長選挙の期日前投票
期 間:7月6日~11日
時 間:8時半~20時
投票所:2カ所
- 羽曳野市役所本館1階ロビー
- 総合スポーツセンター(はびきのコロセアム)1階幼児室
▽羽曳野市メモ
位置 | 大阪府の南東部にある |
面積 | 26.45㎢ |
隣接 | 堺、松原、藤井寺、柏原、富田林各市、太子町/奈良県香芝市 |
人口 | 11万512人(2020年6月30日現在) |
市長報酬 | (月額)74万2500円=25%減額中 |
観光地 | 古市古墳群(世界文化遺産)、誉田八幡宮 |
名産品 | ウスイエンドウ、ひやし飴、河内ぶどう、イチジクジャム、河内最中 |
有名人 | ダルビッシュ有(メジャーリーガー)上西小百合(元衆院議員、タレント) |
羽曳野市長選2020の立候補者のプロフィールや主な経歴
◇北川 嗣雄(きたがわ・つぐお)氏
生年月日:1943年3月24日
出身地 :大阪府羽曳野市
出身校 :大阪府立河南高
主な経歴:羽曳野市議(4期)、羽曳野市議(8期)
河南高を卒業。サントリー道明寺プラント勤務時代には、サントリー労働組合道明寺支部委員長を務めた。1973年の羽曳野市議選に初当選して連続8選。2004年の羽曳野市長選で初当選して連続4選を果たした。
◇松村 尚子(まつむら・なおこ)氏
生年月日:1970年3月10日
出身地 : ―
出身校 :大阪市立大大学院
主な経歴:羽曳野市議(5期)、市議会議長、防災士
2004年の羽曳野市議補選で初当選し、連続5選を果たしている。2016年に第61代羽曳野市議会議長にも就任。自民党大阪府連女性局常任幹事、同青年局顧問、同市町村連盟役員などを務めている。
◇嶋田 丘(しまだ・たかし)氏
生年月日:1948年
出身地 :奈良県
出身校 :関西大
主な経歴:羽曳野市議(6期)、市議会副議長、小学教諭
1972年に関西大を卒業後、小学校教諭として、羽曳が丘小、恵我之荘小で20年間勤務した。93年の羽曳野市議選に初当選し、6期24年間務めた。市議会副議長、議会運営委員長などを歴任した。
◇山入端 創(やまのは・はじめ)氏
生年月日:1981年3月14日
出身地 :大阪府羽曳野市
出身校 :日本文理大
主な経歴:大阪府議(3期)、衆院議員秘書
日本文理大を卒業。大阪府議、衆院議員の秘書を務めた。大阪維新の会府議団の政務調査委員などを歴任。2011年の大阪府議選で初当選して連続3選を果たした。府議会では環境農林水産委員会の副委員長などを務めた。
◇田仲 基一(たなか・もとかず)氏
生年月日:1965年1月28日
出身地 :大阪府羽曳野市
出身校 :甲南大経営学部
主な経歴:羽曳野市議(4期)、薬店経営、会社員
甲南大を卒業後、製薬会社のMR(医療情報提供者)として勤務。羽曳野病院前で約20年の薬店を経営した。2000年度の羽曳野青年会議所理事長などを務め、2005年の羽曳野市議選で初当選して連続4選を果たした。
羽曳野市長選挙2020の立候補者の主な公約・政策、主張
▽北川 嗣雄氏
【政策・公約】
- 市長給与をさらに25%削減し、計50%の削減を図る
- 削減した市長給与分で市内7地域で「お出かけ支援バス」を新設
- 安心して子育てができる環境のさらなる整備
- 優しさと明るさがあふれるまちへ
- 次世代が過ごしやすいと思えるまちづくりを実現
- まちを活性化させ、にぎわいを創出
- 市民との距離感を縮め、基礎自治体としての役割を果たす
▽松村 尚子氏
【政策・公約】
- 市長給与を80%カットし、新型コロナウイルス対策予算を確保
- 中学校も完全給食化し、小学校も含めて無償化に
- 高校生の通学費補助制度の新設
- 進学応援入学祝い金、フレッシュマン応援金の新設
- 新型コロナウイルスの第2波、第3波に備えて物資の備蓄や医療体制を強化
- 新型コロナウイルス対策として、国の関連予算を最大限に活用
- 幸せが実感できるまちづくりを目指す
▽嶋田 丘氏
【政策・公約】
- 新型コロナウイルス対策として、PCR検査体制の強化
- 新型コロナウイルス対策として、20人授業や35人以下の少人数学級の実現
- 中学校の完全給食化を目指す
- 経済負担を考慮し、義務教育の完全無償化を実現
- 保健所や医療機関の強化を国や府に求める
- 子どもの医療費助成制度を高校卒業まで拡充
- 高すぎる健康保険料を引き下げる
▽山入端 創氏
【政策・公約】
- 1期1900万円の市長退職金を廃止
- 市長給与を50%削減し、新型コロナの対策費として予算に反映させる
- 総事業費の5%削減で20億円の財源を確保
- 2歳までの保育を無償化し、子ども医療費助成を18歳まで拡充
- 交通インフラの整備
- 介護や高齢者ら福祉政策のさらなる拡充
- タウンミーティングを実現させ、市民との対話を増やす
▽田仲 基一氏
【政策・公約】
- 市長給与を50%カットして財政再建に取り組む
- 学校給食の無償化と中学校の完全給食化
- 0歳児からの教育を実現させ、基礎学力の強化を図る
- 施策の計画段階から市民の声を反映させ、意見交換会を各地で実施
- 行政が介護の経済や精神的な支援を行う
- 葬儀の費用負担を軽減させる「葬儀見舞金制度」を新設
- 高齢者ら交通弱者のための市民バスを拡充させる
羽曳野市長選2020の争点や情勢、予想を解説
羽曳野市長選の争点は、世界文化遺産の「百舌鳥・古市古墳群」を生かしたまちのPRや活性策など。若年層の定住・移住に向けた住みやすいまちづくりのため、子育て支援策の拡充も重要なテーマになる。
全世界でまん延している新型コロナウイルス感染症の防止策も、市民にとって関心も高い。PCR検査の充実、感染防止策など各候補が熱っぽく訴えている。大きなダメージを受けた経済の回復策も、長引く課題だけに具体性のある施策が求められる。
情勢を予想すると、選挙戦の軸は田仲基一氏になりそうだ。羽曳野市議選では、2選連続でトップ当選を果たしている。市民の要望や希望を丁寧に集め、まちを取り巻く課題を浮かび上がらせている。もう一人の軸になりそうなのが、市議会議長も経験した松村尚子氏で、羽曳野で初の女性市長誕生を狙う。
現職の北川嗣雄氏は現在、4選目とあって多選批判をする声も年々高まってきている。5選を果たすと、任期中に80歳を超えるため、一部で健康を危惧する有権者も多い。政権交代の潮目と見る市民も少なくない。気になるのは5氏のうち、実に4氏までが市長給与の削減を訴えている。度が過ぎた削減は、今後の市長選に影響も与える。市民の中で心配する声も出ている。
羽曳野市長選以外の2020年7月12日執行の注目選挙
当サイトでは羽曳野市長選以外にも、7月12日執行のその他の注目選挙も掲載している。