任期満了に伴う島根県益田市長選挙は7月12日、告示された。投開票は同19日。立候補を届け出たのはともに無所属で、3選を目指す現職の山本浩章氏(51)=自民、公明、社民推薦=、新人で元益田市議の久城恵治氏(57)、新人で食品卸売会社社長の檜谷進氏(71)の3人。益田市長選の立候補者の公約や政策、経歴、情勢予想、投票・開票の結果速報を伝える。
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益田市の飯浦海岸
目次
益田市長選2020の開票速報・投票率速報・当選予想
山本 浩章氏〇 得票数15053 当選
久城 恵治氏△ 得票数 6360
檜谷 進氏 得票数 3037
※◎=確実 〇=有力 △=善戦 無印=対象外
※投票率64.0%=確定
益田市長選は、現職の山本浩章氏が新人2氏を破り、3選を果たした。
【前回2016年益田市長選の状況】
▽7月24日執行=投票率68.56%
山本 浩章氏(47)=現 得票数17447 当選
福原 慎太郎氏(43)=新 得票数10086
※年齢は当時
【候補者のスコアリング】(=ポイント)
▽山本 浩章氏
①公約や主張=3
②経歴=3
③支持基盤=3
=合計9.0P
▽久城 恵治氏
①公約や主張=2
②経歴=2.5
③支持基盤=2.5
=合計7.0P
▽檜谷 進氏
①公約や主張=3
②経歴=2
③支持基盤=1.5
=合計6.5P
※候補者のスコアリングは5段階評価で15点満点
※「11P~=◎」「9P~=〇」「7P~=△」「6.5P以下=対象外」
※採点は当サイト独自調査による
益田市長選挙2020の有権者や投票、益田市の詳細
7月19日の投票は、7~19時(一部投票所で繰り上げ)に益田市内54カ所の投票所で行い、20時から「益田市人権センターあすなろ館」で即日開票する。7月11日現在の選挙人名簿登録者(有権者)数は3万9190人。大勢判明は21時45分ころの見通し。
▽益田市長選に投票できる人
- 日本国籍を有している人
- 2002年7月20日以前に生まれた人
- 2020年4月11日以前に益田市へ転入届を出し、引き続き住所を有する人
▽益田市長選挙の期日前投票
期 間:7月13日~18日
時 間:8時半~20時
投票所:9カ所
- 市民学習センター
- 美都総合支所
- 匹見タウンホール
- ホタルの里農業センター(14日9~正午)
- 町民体育館(14日9~11時)
- 臼木谷集会所(14日13時半~15時半)
- 矢尾集会所(15日9~11時)
- 笹山集会所(15日13時半~15時半)
- 内石会館(16日9~11時)
▽益田市メモ
位置 | 島根県の西端にあり、山口県に隣接している |
面積 | 733.19㎢ |
隣接 | 浜田市、津和野、吉賀両町/山口県萩、岩国両市/広島県廿日市市、北広島、安芸太田両町 |
人口 | 4万5790人(2020年6月末現在) |
市長報酬 | (月額)70万7850円=減額中 |
観光地 | 匹見温泉、島根県芸術文化センターグラントワ、益田市立雪舟の郷記念館 |
名産品 | メロン、柿、魚介類 |
有名人 | 江上敬子(お笑いコンビニッチェ)、豊田真奈美(女子プロレスラー) |
益田市長選2020の立候補者のプロフィールや主な経歴
◇山本 浩章(やまもと・ひろあき)氏
生年月日:1969年5月13日
出身地 :滋賀県甲良町
出身校 :東大法学部
主な経歴:益田市長(2期)、益田市議(1期)
1992年3月に東大を卒業後、家業の米穀商で仕事をした。1998年に妻の親族企業の兵間仏閣堂(現ひょうま、本社益田市)に入社し、2010年に社長に就任。11年の益田市議選で初当選した。12年の益田市長選で現職を破って初当選し、16年に再選した
◇久城 恵治(くしろ・けいじ)氏
生年月日:1963年
出身地 :島根県益田市
出身校 :学習院大法学部
主な経歴:益田市議(4期)、日本マクドナルド
学習院大を卒業。日本マクドナルド勤務を経て、2004年に益田市に帰郷し、実家のパン店「松月堂マリード」を継いだ。2007年の益田市議選で初当選して連続4選を果たした。市議会副議長などの要職も歴任した。
◇檜谷 進(ひのきだに・すすむ)氏
生年月日:1949年
出身地 :島根県益田市
出身校 :島根県立益田工高
主な経歴:食品卸売会社社長、プロボクサー
益田工高を卒業。プロボクサーの活動歴もある。現在は阪神食品、フロンティア・フーズ20など食品卸売会社などの社長を務める実業家。飲食店も多数の店舗展開をしている。近畿益田会副会長も務めている。
益田市長選挙2020の立候補者の主な公約・政策、主張
▽山本 浩章氏
【政策・公約】
- 新型コロナ対策として、緊急信用保証料補助金の支給
- 新型コロナの新しい生活様式に対応するため、国の第2次補正予算を活用
- 特定給付金や市としての児童手当等の給付
- 妊婦へのマスクの供給
- 緊急経済回復支援事業の推進
- タブレットを活用した学習推進授業
- 産業、教育、文化を活用して人の行き来を活発にさせる
- 「中世日本の傑作益田」から「人が育つまち益田」に大きく発展させる
- 益田市人口拡大計画を策定し、定住人口増を図る
- 萩・石見空港や山陰道の交通インフラの利便性を図り、産業基盤を固める
▽久城 恵治氏
【政策・公約】
- 若者が希望を持ち、みんなが安心して暮らせるまちづくり
- オール益田で「益田創生」を目指す
- まちの活性化のため、地元の経済界と一体となって益田の将来をつくる
- 財源確保に向けて県や国とのパイプをもう一度、太くしていく
- 人口減少対策に取り組み、持続可能なまちづくりを目指す
- 防災、減災に向けた災害に強いまちづくり
- 研究機関や企業の誘致で教育、医療の各産業の創出を目指す
- まちの活性化に向けたプロスポーツチームをつくる
- 益田市と首都圏(川崎市)との交流を推進させパイプを太くする
- 空港から10分のロケーションを生かした活性策を図る
▽檜谷 進氏
【政策・公約】
- 特産品の加工で6次産業化を促進
- GAP認証取得へ農家を支援
- 空港を生かした災害物資の「備蓄基地」の設置
- 埋もれた観光資源を積極的にPR
- 匹見温泉の完全復活
- 児童2人目から小学校の給食費の無償化
- 空き家を活用し、県外からの移住者に提供
- 市役所を「益田市株式会社」とし、黒字を出す仕組みづくり
- ふるさと納税額の目標を3億円に設定
- 萩・石見空港を活性化させる
益田市長選2020の争点や情勢、予想を解説
益田市長選の争点は、長きにわたって直面している人口減少対策。企業誘致や若年層に魅力あるまちづくりを通した活性化策をめぐり、激論が展開されている。石見空港、整備をしている山陰道などを利活用したまちづくりのあり方も、有権者にとって関心深いテーマだ。現職の山本浩章氏の2期8年にわたる市政運営の評価、観光振興策なども挙げられる。
益田市長選は、現職に対して新人2人が戦いを挑む初の三つどもえとなった。人口減少対策として、まちの新たな産業創出、将来像を具体的に描くことができるのかが大きなポイント。人口は1985年の6万人をピークに、2010年に5万人で現在は4万6000人を割っている。持続可能なまちづくりが大きな課題だ。
情勢を予想すると、選挙戦は山本浩章、久城恵治両氏の事実上の一騎打ちとみられる。ただし、政党推薦を得ている山本氏の組織票が手堅く、支持層が幅広い。新型コロナウイルス感染症対策、落ち込んだ経済回復策が益田氏市にとっても最優先課題であり、最前線で指揮を執ってきた現職は有利といえる。
このため、中長期的な戦略よりも、新型コロナウイルス感染症対策の短中期的な施策が重要になる。久城氏、檜谷進氏ともに、感染防止策や経済回復策について、具体的な取り組みや方向性があまり見えていないのが実情だ。
益田市長選以外の2020年7月19日執行の注目選挙
当サイトでは益田市長選以外にも、7月19日執行のその他の注目選挙も掲載している。